村上頌樹に続くのは? プロ野球「入団2年目以降」の新人王&ブレイク候補の選手たち(セ・リーグ編)
◆読売ジャイアンツ
昨季、高卒新人ながらプロ初本塁打を記録するなど、確かな存在感を放ったのが2022年ドラフト1位の浅野翔吾。昨季の打席数は合計41打席で、今季もまだ新人王にチャレンジすることが可能だ。 ただ、同じ「外野手」「プロ2年目」として浅野にとってもライバルになるのは、大卒2年目、ドラフト2位入団の萩尾匡也だ。昨季、1軍では11試合の出場で1安打のみだったが、2軍ではチームトップの打率.283をマーク。台湾でのアジアウィンターリーグでは一時首位打者に立つなど打率.326と結果を残している。 外野手のレギュラー争いでライバルとなる2人がどう切磋琢磨するのか。萩尾にとっては同期入団で同学年の門脇誠が先にレギュラーの座を掴んだだけに、もう遅れを取るわけにはいかない。
◆東京ヤクルトスワローズ
ヤクルト不動の4番・村上宗隆が「いずれはヤクルトの4番を打つ選手になってもらいたい」と評したのは、大卒2年目の外野手、同じ左バッターの澤井廉(2022年ドラフト3位)だ。ルーキーイヤーの昨季は1軍で16試合に出場し、打率.156、1打点に終わったものの、2軍では90試合出場で打率.262、18本塁打、56打点をマーク。イースタンリーグの本塁打王に輝いている。 その澤井ができなかった「1年目の1軍アーチ」を昨季叶えたのが同期入団の北村恵吾(2022年ドラフト5位)。昨季は1軍12試合で打率.190と苦しんだが、8月9日の広島戦ではプロ初安打を満塁本塁打で記録。これはNPB史上5人目の快挙だった。 同じ大砲候補の2人、先にどちらが1軍の水に慣れるだろうか。
◆中日ドラゴンズ
中日でとにかく待望論が大きいのは大卒2年目の田中幹也(2022年ドラフト6位)だろう。昨季、オープン戦では一時、首位打者に立つなど躍動。侍ジャパンとの強化試合では今永昇太からヒットを放つと、持ち前の俊足ですぐに盗塁に成功。そのまま先制のホームを踏むなど、侍ジャパン撃破の立役者となり、SNSでは「#田中幹也」がトレンド入りしたほどだった。 ところが、その後のオープン戦で右肩を脱臼。手術を受け、2軍で実戦復帰するのがやっとだった。 田中幹也と言えば、大学3年の夏に国指定の難病「潰瘍性大腸炎」を患い、大腸を全摘出。「もう野球はできない」と覚悟しながら、プロ入りにこぎつけた不屈の精神の持ち主でもある。その生き様をプロでも見せられるか、多くの中日ファンが期待を寄せている。 もちろん、ここで挙げた選手以外からもブレイク候補が出てくる可能性はある。日増しに成長する若人たちの伸びしろに期待したい。