夫が怖くて震えが止まらない。結婚したとたんに始まったモラハラ、私がとった最終手段は
モラハラ夫はなぜ豹変するのか
モラハラ夫が結婚後に豹変する心理には、いくつかの背景や要因があります。モラハラ夫の心理は複雑ですが、共通しているのは「支配欲」と「自分の弱さを隠そうとする心」です。 その要因を説明します。 1. 結婚後の「安心感」からの本性の露呈 結婚前、モラハラ夫は「良い人」を演じています。相手に好かれるため、優しさや気遣いを見せる一方で、本来の性格や支配欲は上手に隠しています。しかし、結婚し自分のものになったと思うと、「もう逃げていかない」という安心感から、本来の性格が出てくるのです。 2. 自分の弱さを隠すための攻撃 モラハラ夫の多くは、心の内側に自分への劣等感や不安を抱えています。しかし、それを認めたくない、または他人に知られたくないとうプライドがあるので、相手を攻撃することで自分を優位に立たせようとします。 3. 支配欲とコントロール欲求の強さ 結婚後、妻は自分に従うものと考える価値観を持っている場合があります。特に、「家庭内のルールは自分が決めるもの」という意識が強い場合、妻が自分の期待に応えないと感じると怒りを爆発させます。 4. 他者からの評価とのギャップ モラハラ夫は、外では穏やかで優しい「良い夫」を演じることが得意です。しかし、家庭内ではそのギャップが顕著になります。外でのストレスを家庭で発散し、自分が支配的でいられる環境を求めるのです。
同じ家の中にいるのに…LINEで罵倒してくるモラ夫の「弱さ」
夜10時を過ぎた頃、ようやく気持ちが落ち着いてきたMさんは、リビングで一息ついていました。そこに夫からのLINEが…。メッセージには「謝る気はないのか?」と一言書いてありました。どう返事をすればいいのか考えていたその瞬間、また夫からのLINEが届きました。 それから次々とメッセージが届きます。 「お前がどれだけダメか分かってるのか?」 「今すぐ返事をしろ!」 「逃げるつもりか?」 夫のLINEは1分ごとに絶え間なく続きました。通知音は鳴りやみません。ふと画面を開くと、そこには40通以上の未読メッセージが並んでいました。そのうちの半分以上が短い言葉での脅しや攻撃でした。 リビングから歩いて数歩の距離の寝室にいる夫なのに、面と向かって話し合いもできずにLINEで嫌がらせをしてくる夫にMさんは恐怖を感じました。 同じ家にいながら直接話さずにLINEを送ってくるモラハラ夫は、実は気の弱く相手の反論が怖いという気持ちが隠れています。LINEを使うことで、顔を合わせずに自分の感情を一方的に伝えられるという「安全な距離」を確保しつつ、相手を攻撃するのです。 モラハラ夫にとって直接の話し合いではなくLINEを使う意味は、相手をいつでもどこでも「追い詰められる」手段だからだと思っています。メッセージを送り続けることで、相手が自分の指示に従わざるを得ない状況を作り出し、支配的な関係を築こうとしています。 怒りやストレスをコントロールできないモラハラ夫は、その感情を相手にぶつけることで発散しています。LINEは感情を即座に吐き出せるツールとして利用しやすく、メッセージが連続することで相手を精神的に追い詰めます。モラ夫は、そのことに快感さえ感じるのです。 前編では、M子さんのご家庭を舞台に「モラハラの事例」と、「モラハラをする人の心理」について説明しました。後編「ずっと『自分が悪い』と思っていたけれど…」では、一晩あけたM子さんのご家庭で起こった事件と、M子さんの心境の変化についてお話します。
夫婦問題・モラハラカウンセラー 麻野祐香