八丁味噌、老舗の敗訴確定 表示登録訴訟、名称に制限
農林水産省が地理的表示(GI)保護制度に登録した愛知県の豆みそ「八丁味噌」は伝統的手法と生産方法が異なるとして、発祥地とされる同県岡崎市の老舗業者「まるや八丁味噌」が国に登録の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は、まるや側の上告を退ける決定をした。6日付。訴えを却下した一、二審判決が確定した。 GI保護制度は国が知的財産として地域の伝統的な生産品の名称やブランド価値を守る仕組み。「但馬牛」(兵庫県内)や「夕張メロン」(北海道夕張市)などがある。まるやは敗訴確定に伴い、2026年2月以降は自社製品に「八丁味噌」の名称が自由に使えなくなる。 ただ確定判決は、製品にGI登録品との混同を防ぐ表示をするなど適切に対応すれば、26年2月以降も「名称を使用できる」としている。 二審知財高裁判決によると、農水省は17年12月、愛知県全域を生産地とする組合の八丁味噌をGI保護制度に登録。まるやが入る別の組合が、登録は違法として行政不服審査請求を申し立てたが、農水省は21年3月に退けた。