認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖
では、どんな食生活が腸内環境を悪くするのでしょうか。真っ先に挙がるのが肉や脂っこい食材を多く摂る、食物繊維を摂らない、アルコールの摂取が多い、などです。耳が痛いという方も多いかもしれませんが、これらが常態化していると体内にゴミが増えて免疫細胞たちの仕事も増え、ますます免疫暴走を加速させることになります。 もちろん、こうした食生活を完全に避けるのは難しいと思いますし、我慢のしすぎでストレスを溜めてしまうと体の機能低下も招きかねません。倍速老化することとストレスを溜めることとを天秤にかけて、適宜選択すべきでしょう。
■体内のゴミがさらなるゴミを生み免疫は暴走 体に不要なものがあふれ、ゴミ屋敷と化してしまった体内では二次災害、三次災害とも言えるような、さらにひどいことが起きています。 ①エネルギーをつくる重要器官、ミトコンドリアが破裂 体内のゴミは免疫細胞に負担をかけますが、それ以外の一般の細胞や細胞内器官にももちろん負担をかけています。その最たるものが、ミトコンドリアです。 細胞内のミトコンドリアは、糖や脂質を使って細胞の活動エネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)をつくり、できたエネルギーは免疫細胞の活動にも使われています。ミトコンドリアは活性酸素も生み出しますが、これは体内のゴミ駆除に使われることも。
つまりミトコンドリアは、免疫細胞の手助けをしながら細胞全体の活動も支えている、健気な発電所のような存在ということです。ところが、周囲に活性酸素などのゴミがあまりにも増えると、そのストレスに耐えかねてミトコンドリアは破裂してしまう。破裂する数が多ければ、それだけ糖や脂質を消費してくれる存在が減るため、肥満につながります。 ②エネルギー源を失った細胞は疲れ、仕事を放棄 ミトコンドリアは一つの細胞内に数十個から数千個ありますが、エネルギーを供給してくれていたミトコンドリアが破裂し始めれば、細胞も疲れやすくなります。すると当然、細胞がこなしている、さまざまな仕事の質にも影響が。