5年目のシーズンへ「今年も自然体で──。急がず、慌てず、マイペースに!」【宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために】
究極のピッチング
開幕というよりも、“1年間”“シーズン”に向けて、いつもどおり調整を続けていきます
もうすぐ今年もシーズンが始まります。ただ、僕自身は“開幕”を特別視していないんです。開幕投手はプロ2年目の2021年から狙っていることですが、“開幕だから”の思いは強くはない。よく「143試合のうちの1試合」とお話をされる方もいますが、僕もその考えに近いんですよね。先発投手なら1シーズンで24、25試合投げる中の最初の1試合という考え。もちろん、良いスタートを切りたい思いはありますが、大事なのは続けることであり、シーズンを通して結果を残すこと。なので“開幕”や“最初”を特別視することはないんです。 もちろん、開幕投手はチームから信頼されるピッチャーが任されるものだからこそ、目指す場所なのは間違いありません。それに“独特の雰囲気”と言われる開幕戦のマウンドは一度でも経験してみたいこと。仮に開幕投手となれば……。いや、考え過ぎてしまうし、僕は緊張しやすいタイプなので、この話はやめましょう(笑)。今(3月21日時点)も、シーズン初登板日は伝えられていないので。『伝えられていない』ということに驚かれる方もいるかもしれませんが、これはシーズン中と同じ流れでもあるんですよ。シーズンでも登板後に次の登板を言われるので、数週間~1カ月前に登板日を言われることはありません。“いつもどおり”でシーズンに入っていくためにも、開幕投手であっても、そうではなくても、早めに登板日を伝えられないほうがいいと僕は思っているんです。“いつもどおり”で挑みやすくなりますから。 シーズン初登板も“いつもどおり”の思いでマウンドに上がるだけ。すべての球種を入り球、カウント球、決め球で使えるようにして、すべての球種で勝負する──。オフの間の自主トレ、キャンプと練習してきたことをシーズンで発揮できるようにするだけなので、『バッターと勝負する』の思いを忘れずにマウンドに上がるだけです。 なぜすべての球種で勝負できることを目指すのか。これは、僕が思い描く究極のピッチングが微妙に関係しています。 その『究極のピッチング』は2つあって。どちらも完全試合で、投球内容も非現実的ですが、だからこその“究極”と思って聞いてください。 1つ目は・・・
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週刊ベースボール