売り切れ続出、価格高騰、ひとり1点の購入制限......。品薄で悲鳴!! コメはどこへ消えたのか?
実感としては、この夏頃からコメ不足になったような気がしますが......。 「実は収穫から半年くらいたった春の時点で、お米は不足していて値段がどんどん上がっていました。 お米は秋に収穫した時点で、『1俵(約60㎏)1万6000円で買う』などと契約している業者がいます。その場合は値上がりしませんが、そのときに在庫を多く持たず必要な分だけ買う当用買いの業者は、『どうも品薄らしい』という情報を得ると焦って『少し高くても買うか』となってしまいます。すると売る側もまた売値を上げて、どんどん価格が上がってしまう。 ディスカウントストアなどは、普段は当用買いで安く買っていたので消費者の味方だったのですが、品薄のあおりを受けて、お米が手に入らなくなってしまいました。そして、7月になって一般の消費者が目にするような品薄状態になってしまったんです。 それに夏の時期は毎年、品薄になります。それもあって、さらに品薄状態が注目され、大きく報道されて消費者の人たちも慌てたのではないでしょうか」 では、コメ不足はいつ頃終わるのでしょうか。 「地域によって違いますが、宮崎県や鹿児島県、高知県、千葉県などはすでに早場米の収穫が終わって出回っています。ですから、今月は新米がだんだんと流通してくるのではないでしょうか。 ただ、今は多くの人がお米を買いたがっているので、価格は上がります。業者も『早く商品を仕入れたい』という気持ちがありますし、売る側も強気になるので、今後も比較的高い価格の状態がしばらく続くと思います」 ■今月中旬には店頭にお米が並ぶ!? 今年の新米の出荷状況を「JAえちご上越」の担当者に聞いた。 「早生品種の『つきあかり』の検査を8月26日から始めました。今、検査しているお米を見る限り、粒の大きさは昨年よりもいい状況です。 今月から本格的な検査を始めるので、スーパーなどの店頭にお米が並ぶのは今月中旬くらいではないでしょうか。 今年は、お米の生産者への支払い金額は2割程度上がっています。ですから、店頭でも価格はそれくらいは上がると思います」 やはり、今月中旬にはコメ不足は解消しそうだ。 最後に荒幡教授がお米をおいしく食べるコツを教えてくれた。 「スーパーなどでお米のパッケージを見ていただくと、いつ精米したかが表示されています。お米のおいしい期間は、精米から1ヵ月半~2ヵ月までといわれているので、精米から日数がたちすぎると味が落ちます。ですからお米を買い占めてストックしておかないほうがいいと思います」 * * * 消えたお米は、9月中旬頃には現れそうだ。 取材・文/村上隆保 写真/時事通信社