“泥酔車破損事件”を起こしたWBC世界王者の寺地拳四朗にJBCがライセンス停止3か月&制裁金300万円の厳重処分
泥酔して他人の車を破損させる事件を起こしていたWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(28、BMB)に15日、JBC(日本ボクシングコミッション)は3か月のライセンス停止と制裁金300万円、そして6か月以内に48時間以上200時間以内の社会貢献活動を義務付ける処分を下した。また父でジムの会長である寺地永(56)にも管理責任と報告義務が遅れたことを問い戒告処分を下した。3か月のライセンス停止処分は12月1日から執行されている。 寺地は7月19日に都内で泥酔して自宅近くの他人のマンションに無断で侵入、駐車してあった車をボコボコに破損させるという事件を起こしていた。週刊誌に報じられて表沙汰となり、本人が事実を認めて謝罪文を発表したため、JBCは本人と寺地会長を事情聴収、倫理委員会を経てJBC規定に沿い処分を下した。 すでに被害者との示談が済んでおり事件化はしていないが、「プロボクシングの社会的信用を著しく棄損する行為。現役の世界王者としてボクシング界を代表する立場にありかつ他の選手の模範となるべき存在であるにも関わらず飲酒、酩酊し迷惑行為に及んだことの責任は重い」との理由で今回の処分が下された。 新型コロナの感染拡大の影響で自粛を求められている時期に飲酒を伴う会食を行って記憶がないほど泥酔し社会的に許されない事件を起こしたことは、世界王者としての自覚に欠け、その責務を果たしていない行為だと重くみて制裁金300万円が科せられた。 ただ示談となり事実関係の詳しい確認が困難であることや、12月19日に大阪で予定されていた同級1位の久田哲也(36、ハラダ)との8度目の防衛戦が中止になるなどの“打撃”を受けていることもあり、WBC王座の剥奪につながる可能性のあるライセンス停止の期間については情状酌量されたものと見られる。 JBCの安河内剛事務局長は、「(処分の)軽い重い(の評価)は皆さんの判断に委ねるが、現役の世界チャンピオンであることを非常に重く考えた。示談にもなっており事件化されてはいないとはいえ現役の世界チャンピオンの地位は重いと思うので、これぐらいの処分になった」と説明した。 この日、JBCで直接、処分通達を受けた寺地は、報道陣の代表取材に対して「たくさんの方にご迷惑をお掛けし大変申し訳なく思っています。JBCの処分を本当に真摯に受け止めたいと思っています。これからは自分自身を見つめ直して、一つずつ信頼を取り戻したい。そしてまた品格のある人になりたいと思いました。お酒は自分の体に合わないと思ったのでやめました。世界チャンピオンとして本当に恥ずかしい限りです」と“断酒”を宣言すると共に深く謝罪した。 対戦予定だった久田に対しても「準備をしていただいていたので本当に申し訳なく思っています」と頭を下げた。