吹きかけるだけで「皮の農薬」がほぼとれる…フルーツ研究家が皮ごと食べるために使う"お掃除アイテム"
■食べなさすぎ⁉ 日本人のフルーツ習慣 2019年の国の調査では、日本人のフルーツ類(果汁やアボカドやレモンなどを含む。ただしジャムを除く。)の平均摂取量が95gと、目標量の半分未満。全世代で目標量未満だが、とくに20~40代の若い世代が少ない。 成人日本人で200g以上食べる人は18%しかなく、4割近い人がフルーツを食べる習慣自体がない(図表1参照)。 2019年のFAO統計によれば、国民一人当たりの1日の消費量(廃棄量を含む)について、日本は、世界平均の半分以下、G7や東アジアで断トツ最下位、世界179の国と地域の中で156位だった(図表2参照)。 世界150カ国以上の研究者が協力して、各国の死因データを収集分析したところ、日本人の死亡原因となる上位3つの食習慣は、①塩分の摂り過ぎ ②玄米などの全粒穀物不足 ③フルーツ不足。日本人はフルーツの食べなさすぎこそ注意すべきなのだ。 ■お菓子の糖質はフルーツの数倍もある フルーツには多様な栄養があるが、ここでは糖質とカロテノイドについて解説する。 フルーツに含まれる主な糖は、ブドウ糖と果糖とショ糖の3つ。量や割合はフルーツの種類によって異なり(図表3)、また熟し具合でも変化する。 よくフルーツは果糖が多いと言われるが、同じ重さあたりの全果糖(ショ糖構成分の果糖も含む)についていえば、菓子類はフルーツの何倍も多い。
■ビタミンAが豊富なのは赤肉メロン 熟したフルーツは色鮮やかなものが多い。主な色素成分は、ポリフェノールとカロテノイドで、近年さまざまな健康効果が明らかになっている。 主要カロテノイドのうち、α(アルフア)カロテン・β(ベータ)カロテン・βクリプトキサンチンは体内でビタミンAに変換される(プロビタミンAとも呼ばれる)。 ビタミンAは、視覚の明暗機能や、皮膚や粘膜などの保持に関わる必須ビタミンだが、日本人が不足しがちな栄養素の1つでもある。ただし、妊婦がレバーなどを大量に食べて、動物性ビタミンAを過剰摂取すると、胎児奇形のリスクが増大する。 ただしフルーツや緑黄色野菜に含まれるプロビタミンAにはその心配がない。 ちなみに同じ重さあたりのプロビタミンA量は、食品成分表に記載された生フルーツでは、赤肉メロンが飛びぬけて多い。 ■日本人が不足しがちな栄養はフルーツで補える 国の推奨量(推奨量がない場合は、目安量または目標量)に対して、平均的な40代が不足している栄養は、食物繊維・ビタミン6種・ミネラル5種の12種。30代の妊婦(中期)では葉酸や鉄分なども加わり17種である。 成人の不足栄養の量や種類やについて、高い年代ほど少ないが、若い年代ほど多い。妊婦や授乳婦はさらに多い。フルーツを食べることで、日本人が不足しがちな食物繊維やビタミンやカリウムなどの栄養を補うことができる。