【平和島ボート・サンスポ杯 東京ダービー】予選突破を目指す山田哲也が機力アップを狙う
この悔しさは絶対に忘れない。1号艇の3日目5Rに人気を集めて挑んだ山田哲だが、結果は4カドの伊倉にあっさりとまくりを許して4着。2号艇の後半10Rは3着に食い込み、6・00で得点率15位タイに踏みとどまったものの、当然、満足できる内容ではない。 「前半は伊倉が(4枠に)いた時点でヤバいかもとは思っていたけど…。後半の1マークは差さったと思いましたよ。簡単に言えば回転が上がってこない。この平和島にはいいリズムで来られたと思っていたのに…」 ボート界トップクラスのスタート力を誇り、今節の平均スタートはコンマ10。連日、巧者らしく的確な踏み込みを決めているが、いまだ結果にはつながっていない。 前検日には一番時計の6秒61をマーク。大きな活躍を期待されたが、3日目を終えて5戦1勝。「ターンマークを回ってからの直線の来させ方は分かったけどキャビる。とくにかく乗れないですね」と機力の底上げは急務だ。「浜野谷さんが声をいつもかけてくれるんですよ。優しいですよね。浜野谷さんのアドバイスを試してみたい」。身近な〝生きる教材〟の存在は大きい。 昨年は4Vに留まったが、そのうち7月の若松一般戦では史上38人目となる全24場制覇を成し遂げた。翌月の8月には平和島で表彰式が行われ、金貨1オンスが埋め込まれた表彰盾を手に、「リーチがかかってから4年近くたってしまった。プレッシャーもあったけど、達成できてすごくうれしい」と喜びを爆発させた。 あれから半年。「24場で優勝できたことで若松を走るときの気持ちは変わったけど、他の場を走るときのメンタルには影響しなかったですね。でも、全場制覇をした選手として引き締まる思いはある」。4年という歳月は、ボートレーサーとしての成長に不可欠な時間だった。それは必ず結果が証明してくれるはずだ。 A1級として最低限のノルマである予選クリアには3、9Rで3、3着以上が条件。山田にとって決して楽な条件ではないが、ステップアップを続ける42歳は諦めない。(加納空樹)