「侵入犯罪」に狙われる戸建ての特徴は? 安全に見えてリスクの高い構造
被害を防ぐために今、私たちが出来る行動とは?
被害を防ぐためにはまず、帰宅時に周りに不審人物がいないかどうか、注意深く見ておくということが非常に大事なります。後ろをつけられて、家の近くまで気づかれないように一緒にやって来て、急に後ろから脅され、「鍵を開けろ」などと言われる事例もあります。 不審な気配を感じたら、すぐ知人に連絡を入れ、「変な人がいるので、来てくれないか」などと相談することや、直接帰宅せず回り道をして帰る(例えば、コンビニやカフェに寄り道したりする)ことも効果的でしょう。こういう行動により相手は、"気づかれたかもしれない"と思い、侵入の意思を削がれてしまうケースもあります。 また、新居に入居する際に、管理会社に対して「鍵は変えられているか」「使いまわしをしていない新品であるか」ということを確認することが大事であると考えます。経費削減のため、他の物件で使用していた鍵を再利用している管理会社も存在するためです。 できるだけ近所の人と顔見知りになっておくことも、防犯対策として効果的でしょう。犯罪者は、近所の顔を知らない、付き合いが無い状況というのは好条件となります。最近は「個人情報」を理由に、人と人とのつながりを避ける傾向が見られますが、これは防犯上、望ましくありません。 もしご近所付き合いがきちんとしていたら、「変な人がいる」というような情報が入ってくることもあります。また、近所でコミュニティが出来上がっていると、不審者がいるとわかりやすい利点もあります。ご近所づきあいとして、日ごろから挨拶をしておくことが大事であると考えます。
戸建て住宅は、庭の手入れや玄関周りの対策が必須
物理的な防犯対策としては、戸建て住宅では周囲からの見通しを確保することが重要です。敷地内をきれいに保ち、ゴミを放置せず整然と保つことも大切です。また、家屋内に高額な物を置かないことも、防犯上の重要なポイントとなります。 また、玄関周りのケアも不可欠です。人感センサーや監視カメラの設置は、侵入を抑止する効果が期待できます。できるだけ防犯性の高いカギを使用することも好ましいと考えます。最近では、我が社でも開発を進めている「血流認証」のような生体認証システムが普及し始めており、玄関周りのセキュリティ機器を充実させることで、より安全性を高めることができます。 何より、不審に感じることがあった場合は、警察に連絡することが大切です。警察は捜査が空振りに終わったとしても怒るようなことはありません。自宅の周りを自転車で巡回してもらったりすると、侵入者側からも警戒されていることが分かるでしょう。日ごろから防犯意識を高めることは、きわめて重要なことなので意識して行動することをお勧めします。
須下幸三(バイオニクス株式会社 代表取締役)