尹氏弾劾審判「空転」の恐れ 憲法裁からの書類受領せず
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、憲法裁判所が16日に送った弾劾訴追の関連書類を17日の時点でまだ受け取っていないことが分かった。 憲法裁のイ・ジン広報官は同日の記者会見で「大統領に送達中」とした上で、大統領秘書室の行政官に議決書を渡したが、正式な受取証を受け取ることはできなかったと説明した。 憲法裁は16日午前に尹大統領に国会の弾劾訴追議決書などを送り、送達を受けた日から7日以内に答弁書を提出するよう要求した。 書類は手渡しと速達郵便、電子文書システムの三つの方法で送られ、当日中に受け取った場合は23日までに答弁書の提出が求められるが、尹大統領側が受け取っていない場合は答弁書の提出期限も延びることになる。 秘書室と大統領公邸には速達で送ったが送達はまだ完了しておらず、電子文書システムでも受け取り確認ができていないという。 イ報道官は、関連書類が最終的に送達されなかった場合の代案については「裁判部が決定する」と述べた。 書類が送達されない場合、尹大統領が27日から始まる弾劾審判を欠席したり、出席しても「書類を受け取れなかった」として意見を示さないなど、審判が空転する恐れがある。 尹大統領は憲法裁に代理人の選任届も提出しておらず、内乱容疑について捜査する合同捜査本部が公邸に送った出席要求書の受け取りも拒否している。 一方、憲法裁は尹大統領の弾劾審判の模様を生中継しない方針だ。 また、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行首相が現在空席となっている3人の裁判官を新たに任命できるかどうかについて、イ広報官は「以前にも黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が任命した事例があると承知している」と述べた。 韓氏が任命権を行使しない場合、現職の裁判官6人体制で結果の言い渡しが可能かとの質問に対しては「裁判部が議論している」と答えた。 与党「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)代表権限代行兼院内代表はこの日、国会で開かれた会議で「大統領権限代行は大統領が空席である時は憲法裁判官を任命できるが、職務停止時には任命できないと見なすべきだ」とし、「弾劾案が憲法裁判所で認められるまで、権限代行による憲法裁判官任命は不可能だ」との認識を示した。 憲法裁は19日に定例の裁判官評議を開催する予定で、イ広報官は「必要であれば(評議で)大統領弾劾事件も議論する」と述べた。
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