持っていった手土産「今、いっしょに食べるの!?」と驚き 自分が食べるつもり派も…どっちが正解か マナーのプロに聞いた
お盆・正月の帰省での実家や親族訪問、友達の家でのホームパーティー、ママ友宅に子どもと遊びに、時には取引先に…。その際に、持っていった手土産についてSNSで巻き起こる論争。マナーのプロに取材しました。 【写真】夫が墓参りに来ていた服…妻は思わず「それでいいの?」 持っていった手土産をその場で食べるかどうか。「持っていった手土産をその場でみんなで食べることに。訪問先はお茶菓子など用意しないの?とモヤモヤ」と「いっしょに食べるつもりでケーキを買ったのに、すぐに奥に引っ込められて悲しい」と、両方の声があがります。 手土産は、相手のためなのか、自分やその場にいる人が食べる前提なのか。 企業や医療施設、学校などさまざまな場でのマナー研修や講演に加え、テレビなどメディア出演も多数のトータルマナー株式会社の代表・田野直美さんに、手土産に関するマナーを教えていただきました。
手渡す際のひとこと、相手が誰かもポイント
手土産をその場で開封して食べるのは、マナー違反なのかどうかについて、「迎える側がお菓子を準備してそれを出すのが基本と考えておきましょう」と田野さん。 ママ友や同僚など親しい間柄なら、手土産を一緒に食べるのもあり。「カジュアルな集まりの場合は、特に気遣う必要はありません。手土産を手渡す際に、“おいしいと有名なケーキショップで、季節限定のケーキを見つけてきたから、一緒に食べたくて買ってきたの”などと伝えれば、良いのではないでしょうか」。 手土産を一緒にいただくことになり、迎える側が用意していたお菓子が手つかずになった場合は「帰り際に“準備していたものだから、持って帰ってね”と包んで渡すのも一案だと思います」。
手土産を選ぶときの注意点は?
手土産を選ぶ際は「自宅最寄り駅で選ぶのは良いのですが、訪問先の最寄り駅で購入するのは避けてください」と田野さんはアドバイス。相手のご近所のお店で買ったことがわかると、手土産の用意を忘れて慌てて買った、つまり誠意がないと受け取られることも。 また、高齢者ふたりで暮らす実家や親族、育ち盛りの子どもがいる家族、生まれたばかりの赤ちゃんがいる家庭など、渡す相手の家族構成や好み、ライフスタイルも考えて選ぶのが大事。「たとえば、ご夫婦ふたり暮らしなら、少量の高級菓子を包んでもらうのもおすすめです」。 昭和の時代には、「つまらないものですが」「粗末なものですが」と言いながら手土産を渡したものですが、令和の現在はこのような言い方は時代遅れと思われる可能性もあるそうです。 礼儀作法を学んだことをきっかけに、40年以上、マナーについて研修などを行ってきた田野さんは「マナーはこうするもの、こうしなければならないというルールとは違います。素直な気持ちの表現です」。しかし、その表現次第で、相手が不愉快に思ったり、お互いに気まずくなったりすることもあるので、それを回避するための知恵・手段として取り入れてみてはいかがでしょうか。 持っていく相手の喜ぶ顔を想像しながら手土産を選んで、素直な気持ちを伝えながら手土産を渡して。手土産によって、より良い関係が深まると良いですね。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
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