2025年“米国株バブル崩壊”は起きるのか 「心配ない」と外国株のプロが断言する根拠は
記録的な上昇を遂げた2024年の米国株市場。しかし、これだけ上がると、下がった時が恐ろしい、というのが人の心理というもの。実際、アナリストの中には近い将来の“米国株暴落”を予言する人もいる。ただ、マネックス証券の岡元兵八郎氏は「その心配はない」と断言する。では、その根拠とは――。 【写真を見る】割高?割安? 2025~2026年最新の米国企業「業績予想値」 (前後編の後編) *** ※この記事は『本当に資産を増やす米国株投資』(岡元兵八郎著、ビジネス社)の内容をもとに、一部を抜粋/編集してお伝えしています。
米国株に付きまとう“懸念”
現在、米国の株価に関して一番懸念されているのが、今がバブルのピークなのではない か、ということです。バブルの定義とは、「実態がまったくないものに対して高値がつく」、あるいは「価値に見合わない高値がつくこと」です。 実態は100円程度のものなのに、なぜかマーケットでは1000円で取引されているとしたら、差額の900円はバブルであり、これが破裂すると、価格はあっという間に10分の1にまで値下がりしてしまいます。つまり本質的な価値に見合ったところまで、価格が調整するのです。 では、今の米国株は本当にバブルなのでしょうか。株価にとってのバブルとは、業績では説明のつかない水準にまで株価が値上がりしている状態を指します。たとえば1980年代の日本経済に生じたバブルでは、日経平均株価が当時の最高値である3万8915円をつけた段階のPER(株価収益率)が60倍を超えていました。 PERが60倍ということは、これから先60年分の利益を織り込んで、株価が形成されていることを意味します。これだけの株価を維持し続けるためには、業績がさらに大きく伸びなければ説明がつきません。現実的にはそれを説明できなかったからこそ、日経平均株価は1990年代の幕開けとともに、暴落へと転じたのです。 仮に、米国企業の業績が悪化して利益が増えない、もしくは減益に転じているなかで、S&P500が5000ポイントを超える水準で推移しているのだとしたら、それはバブルの恐れがあります。 しかし、目先の米国企業の業績を見ると、その心配はほぼいらないと考えて良さそうです。