2025年“米国株バブル崩壊”は起きるのか 「心配ない」と外国株のプロが断言する根拠は
2026年の予想PERに注目すると
S&P500に採用されている500銘柄のEPS(1株あたり利益)の成長率予想を見ると、皆さんも安心できるでしょう。 四半期ベースで推移を見ていくと、2022年第4四半期から2023年第2四半期にかけて、EPSは前年同期比でマイナスになっています。これは明らかにこの期間中、米国企業の業績が悪化していたことを意味しています。それがプラスに転じたのが2023年第3四半期であり、その先は業績好調が予想されています。 2025年第1四半期のEPS成長率の予想は13%のプラスです。これだけ業績が伸びていくわけですから、多少株価が値上がりしたとしても、それをバブルと言うのは、いささか無理があります。 では、今のS&P500が割高なのかどうかについて、少し考えてみたいと思います。S&P500と予想PERの推移を見てみましょう。1991年から2022年までの実績PERと、それ以降、2026年までの予想PERを棒グラフで示しています。全期間を貫いている横線が、この間における平均PERで19.5倍です。この数字を上回っている時は、ややPERが割高であり、下回っている時は割安と考えられます。 2020年の実績PERは、平均PERを大きく超えています。これは明らかに割高な水準まで買われていたことを意味します。 しかし、そこから先で興味深いのが、2025年と2026年の予想PERが、いずれも低下傾向をたどっていることです。2026年の予想PERは、平均PERを下回る19.2倍です。 なぜ予想PERが低下していくのかというと、今後、米国企業の業績が回復すると考えられているからです。2025年は前年比14%、2026年は12%の増益予想となっています(2024年10月11日現在)。 これだけ業績が伸びれば、予想PERの数値も下がります。このように、業績の裏付けがある以上、S&P500の水準をバブルだなどと言うことはできません。しかも、2026年の予想PERは、過去35年間の平均値を下回るという数字が出ているのです。これらの点からも、まだ米国株式は底堅く推移するものと考えられます。