痛烈な「ダメ出し」大歓迎! アプリ会員1500万人の口コミは、ドンキをどう変える?
商品改良や店舗改善において、「顧客の声を聞く」ことは重要だ。ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、2023年11月から公式アプリ「majica(マジカ)」に新しい口コミ機能「マジボイス」を搭載。1500万人のアプリ会員から、生鮮食品や総菜、日用品、コスメ、家電、衣料・アパレルなどの商品に対する声を収集している。 【画像】痛烈な「ダメ出し」で変わった商品(全5枚) マジボイスが通常の口コミサービスと異なるのは、高評価も低評価も全ての意見を公開している点だ。同社がマジボイスを始めた経緯について、宮本慎太氏(マーケティング戦略本部 マーケティング戦略部 マジボイス推進課)に話を聞いた。
「ダメ出しの殿堂」にダメ出し
マジボイスのコンセプトは「みんなの声で、ぜんぶが変わる?」。商品を「いいよ!」と「ビミョー」で評価する「正直レビュー」と、顧客同士が交流できるコミュニティーサイト「おしえて掲示板」という2つのコンテンツを軸に、アプリ会員から商品への要望や利用する店舗への意見などを収集している。 PPIHはかつて「ダメ出しの殿堂」というWebサイトを立ち上げ、情熱価格(PB)の商品に対する「ダメ出し」を集め、商品開発に生かしてきた。しかし、ダメ出しの殿堂では商品に関する声しか集められないという課題があった。「商品以外についても顧客から声を集める必要があると考え、新しくマジボイスを作りました」(宮本氏) マジボイスは前述の通り、majica内の機能の1つ。そもそもmajicaを使用するには、個人情報やよく利用する店舗など会員登録が必要だ。ここに、マジボイスをダメ出しの殿堂のようなWebサイトではなく、アプリの機能として実装した理由がある。 ダメ出しの殿堂では、ダメ出しを書いた人の性別や年齢などの属性、商品を購入したかどうかといった情報が分からなかった。しかし、majica内の機能であるマジボイスは、評価やコメントに会員情報を紐(ひも)付けられる。宮本氏は「店舗で買い物をするお客さまの中でも、アプリ会員はドン・キホーテのファン、つまり重要な顧客と言えます。その重要な顧客が、いつ、どの商品に、どういうことを言っているのかが、アプリに実装することで可視化されるようになりました」と説明する。