痛烈な「ダメ出し」大歓迎! アプリ会員1500万人の口コミは、ドンキをどう変える?
「ビミョー」が引き出すリアルな声
正直レビューは「いいよ!」「ビミョー」の二択で評価する。実際に正直レビューを開いてみると、「鮭フレーク(いいよ!96%、ビミョー4%)」「焼き芋(いいよ!89%、ビミョー11%)」「偏愛めし 吸ってよし食ってよしだし漬け枝豆(いいよ!17%、ビミョー83%)」(いずれも10月30日時点)といったように、商品ごとに「いいよ!」「ビミョー」の割合が一目で分かるようになっている。「いいよ!」が急増しているなどプラスの評価が高い商品だけでなく、「ビミョー!」の評価が多数を占める「イマイチ商品」も公開中だ。 正直レビューの評価軸を設定するに当たり、宮本氏はさまざまな工夫をこらしたと振り返る。「今や口コミサイトはよくある当たり前のサービスです。後発だからこそ、マジボイスならではの独自性が欲しいと思っていました」(宮本氏) まず工夫したのが、何段階の評価にするかという点だ。宮本氏によると、星5つのような5段階評価は、多くの人が真ん中を選ぶ傾向にあるため、正しい評価が分かりにくくなってしまうのだという。良し悪しをハッキリさせるため、シンプルな二択とした。 「ビミョー」という言葉にも意図がある。当初はビミョーの他に「ダメ」「BAD」といった候補があったとか。「着目したのは『評価すること』に対するハードルです。『ダメってほどじゃない』『BADまではいかない』という絶妙な顧客の気持ちに寄り添うため、ビミョーという表現を採用しました」(宮本氏)
高評価も低評価も全て公開
正直レビューで一覧になっている商品をタップすると、その商品に寄せられたコメントを見ることができる。コメントの吹き出しを、購入者で「いいよ!」評価をした人は水色、購入者で「ビミョー」評価をした人は灰色、購入者ではない人は白色にそれぞれ設定。そのコメントについて、どういう人がどういう評価のもと書いたのか一目で分かるように設定した。 「いいよ!」「ビミョー」の評価だけでなく、コメントも誹謗中傷に当たるもの以外は全て公開。中には、商品に対して手厳しい意見も見られた。マジボイス上でマイナスな意見を公開することについて、社内から反対はなかったのだろうか。 「弊社は顧客最優先主義を掲げ、顧客にとって都合のいいお店を目指しています。私も店長をやっていた時に、批判の声も含めて、顧客からの意見に耳を傾け、仕入れなどに生かしていました。マジボイスは、これまで現場に寄せられていた声がアプリ上に反映されただけとも言えます。マジボイスの構想が生まれた当初から、低評価も公開して当然との考えでした」 この考えを基に、宮本氏は役員や商品開発担当者、現場の店長などあらゆる立場の社員にマジボイスで全ての声を公開する必要性を説明して回ったという。社内からも大きな反対などはなかったそうだ。