【楽天】宗山塁が「最後」のお年玉手に入寮 小深田らドラ1部屋1号室へ「続いていけるように」
昨秋のドラフト会議で5球団が1位指名した「20年に1人の逸材」が、ドラ1部屋からプロ生活をスタートさせる。楽天1位の宗山塁内野手(21=明大)が5日、仙台市内の泉犬鷲寮に入寮した。小深田、早川、荘司ら歴代のドラ1も暮らし、背番号と同じ「1」号室に入ることが決定。東京6大学リーグで歴代7位の118安打を放ったアマ野球界のスターが、NO・1への道を歩み始める。 ◇ ◇ ◇ バットを手にした宗山が、新たな自室の窓からほほえんだ。小深田、早川、荘司ら歴代のドラフト1位も暮らしていた1号室に入ることが決定。「本当に素晴らしい先輩方がおられた部屋なので、自分もそこに続けるように。次は『自分がいた』と言ってもらえればうれしいので、それぐらいのプレーヤーになりたいと思いました」。楽天、球界を代表する選手になることを誓った。 プロ入り前に、故郷で思いを新たにした。年末年始は実家のある広島に帰省。母校の広陵にもあいさつに訪れ、恩師の中井監督からは「厳しい世界だぞ」と激励された。街では「頑張って」など、多くの声援を送られた。「地元の盛り上がりはすごかった。そこは年々感じてたことであったんですけど、今回の帰省は特にそれがすごかったかなと思うので、応援していただけると思うので、それに応えたいなと思います」。 両親や親戚からは「もう最後って言われて渡されました」とお年玉をもらった。新生活に必要なものを購入する費用として大切に使う予定で、まだ使っていない。プロ入り後は、みんなに恩返しする立場になる。「両親にあげるか分からないですけど、来年から自分があげる立場なんだなと思いました」と社会人の自覚も十分だ。 商売道具のグラブ4つのほか、小学生時代のチームメートから贈られた、三良坂少年野球クラブの寄せ書き入りのユニホームなどを手に入寮した。「今でも地元に帰ったら会う仲間ですし、本当に原点のところなので、この時の気持ちを忘れずにいきたいと思います」。初心を胸に、プロの舞台に飛び込む。 一緒に入寮した同期の6選手とともに、9日から新人合同自主トレを迎える。「元気よく一緒に練習できたらなと思います」。初詣で引いたおみくじは末吉で「末吉でもここから良くなるからいいかなと。逆に大吉だと不安になります」。1号室から野球漬けの生活を送り、NO・1プレーヤーへと地道に突き進む。【山田愛斗】 ◆宗山塁(むねやま・るい)2003年(平15)2月27日生まれ、広島県三次市出身。三良坂少年野球クラブで野球を始め、中学時代は高陽スカイバンズでプレー。広陵(広島)では1年夏からベンチ入りし、甲子園に2度出場。明大では東京6大学リーグ通算118安打、10本塁打を放ち、史上12人目の100安打、2桁本塁打を達成。2、3年時に大学日本代表。24年ドラフト1位で5球団競合の末、楽天に入団。契約金1億円、今季年俸1600万円(金額は推定)。背番号1。175センチ、79キロ。右投げ左打ち。