50代会社員です。今から老後にむけて「2000万円の貯蓄」って可能なんでしょうか……家のローンもあるし、不安です。
世間では老後に一定以上の貯蓄がないと生活に困る「老後2000万円問題」が頻繁に取り沙汰されています。住宅ローンや子どもの教育費などさまざまなお金がかかるなか、老後に2000万円貯めるには毎月いくら貯蓄する必要があるのでしょうか。 今回は50歳から老後にむけて、2000万円貯めるために毎月いくら必要かを計算します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
家計の消費支出は平均でどれくらい?
現年齢が50歳で65歳に定年退職する場合、残された期間は15年、月に換算すると180ヶ月です。単純に月収だけで2000万円を達成するには、毎月約11万円ずつ貯蓄する必要があります。 総務省統計局が定期的に発表している「家計調査」の2023年版データを見ると、2人以上の世帯における平均支出額は、毎月29万3425円でした。ただし、この数値には住宅ローンの金額が含まれていないため、実際はここにローン返済分が上乗せされるでしょう。 上記支出額と11万円の貯蓄をすると仮定するとおよそ40万円以上の収入が必要なため、ローンを完済していないかぎりハードルの高い金額といえるでしょう。 ■全国の住宅ローン返済額の平均 国土交通省が公表する「住宅ローンの年間返済額の平均値等」によると、返済額の平均は年間100万円~170万円ほどでした。これを1ヶ月に換算した場合、8万3000円~14万1000円ほどです。平均支出額と住宅ローンの平均を合算した金額は、37万6000円~43万4000円ほどであることが分かります。 ■50歳から2000万円貯めるには手取りで50万円前後必要 前述の数値から必要な貯蓄額を逆算すると、毎月の収入は手取りで約48万6000円~54万4000円必要です。仮に手取り40万円だと、住宅ローンを含めた生活費だけでも足りない可能性があるでしょう。ボーナスや退職金がある場合は、そちらに頼らざるを得なくなります。 ただし、ボーナスや退職金にまったく手をつけず済むとは限りません。住宅の老朽化に伴う修繕費や車の買い替えなど、まとまったお金が必要なイベントは数多く存在します。 そのため、老後に向けて2000万円貯蓄するには、毎月の収支を見直して一定額以上を貯蓄に回せるよう工夫しなければなりません。