「耳からネズミが化けて出てきて それと対戦していた」金属バットで友人の頭が平らになるまで殴り続けた 覚醒剤使用で不起訴処分から一転、男は法廷に立った
【弁護側】 (1)殺意の有無 凶器のバットはたまたまそこにあったもので犯行にまったく計画性はない。Aさんとはトラブルもなく、殺害する動機もない。殺そうと思って殺したのではなく、結果として死亡させてしまった。 (2)責任能力の有無 友人の頭部や顔面が変形して、平らになるまで殴り続けるのは、男が自身の行動をまったく制御できなかったため。精神障害の圧倒的な影響によって罪を犯し、正常な精神作用によって罪を犯した部分が残っていなかった「心神喪失」である。 事件現場は、壁やカーテンに血が飛び散っていた。頭部多発損傷で亡くなったAさんの遺体は、見るに堪えない状態だったという。あまりにも残忍な犯行。現場で何があったのか。 男が被告人質問で証言台に立った。 ■「殺せ、殺せ」という声が聞こえて Q.事件の日、何があったか説明できる? 「海に沈めてしまうとか、さらってやろうとか、暴力団らしき声が聞こえてきました」 覚醒剤を使用していた男は、Aさんが暴力団らしき人物らと結託して、自分を陥れようとしていると勘ぐっていたという。 Q.Aさんが(自宅の)母屋に戻ってきたのは覚えている? 「Aが寝ていて、『殺せ、殺せ』という声が聞こえて、Aの耳からネズミが出てきて、それと対戦していました。気づいた時には、台所のシンクに寄りかかってバットが置いてありました」 Q.相手は何だと思った? 「化けてくるネズミです」 Q.なぜネズミと対戦した? 「牙をむけてきたからです。Aを殴った記憶はないです。ネズミとは戦っていました」 Q.ネズミが出てきて対戦した? 「右手にチャカとか、OKサインで余裕だよとかいろんな声が聞こえていました」 Q.事件後に友人とやりとりしているが? 「記憶がないんですよ」 Q.LINEでやりとりしたこと自体も? 「覚えていないです。よくできてるなと。いつもの夢遊病だと思いました」 Q.遺体の写真を見てどう思った? 「普通に考えてこんなことできないですよ」