散らかった部屋では睡眠の質が下がる!? 今すぐ実践できる快眠の知恵(専門家が監修)
整理整頓上手な人はよく眠れる?
◎散らかった部屋では脳は睡眠に集中できなくなる 意外にも、いらないものを処分することが快眠を得る条件のひとつになるという。 「足の踏み場もないほど床が物で散らかっていたりする環境では、それを目にするたびに自己肯定感や幸福感が下がります。片付けられない自分のダメさ加減を見せつけられているようなもので、そうした自分の内側に湧き上がってくるネガティブな感情は眠りの大敵になります」 家の中をすっきりとした空間に保つことはもちろん、寝室に睡眠と関係のないものを持ち込まないというのも大事なこと。 「寝室=眠る場所」と脳が理解すると、その環境に入った瞬間に脳は睡眠モードにシフトするという。ところが、読みかけの本、やりかけのゲーム、食べかけのスナック菓子、脱ぎっぱなしの服、こうしたものが目に入ることで脳は睡眠に集中できなくなる。 散らかっている部屋でもしっかり眠れるという人は、もしかするともう1段階快適な睡眠を得るチャンスを取り逃している可能性がある。整理整頓した寝室で寝てみれば熟睡レベルが変わるかも。
枕なしの方が快眠できる人もいる?
◎やっぱり枕は必要。プロに聞くのが理想的 「枕なしの方が楽という人は、大体枕が高すぎて不快に感じている人。そういう人に折り畳んだバスタオルを枕にして寝てみてもらい、枕なしとどっちが楽ですか?と聞くと、バスタオルがあった方が楽と答える場合がほとんどです」 枕の役割は立っているときの姿勢を寝ているときにも保てるようにすること、マットレスと頭から首にかけてできる隙間を埋めることだという。 「仰向けで寝たとき、枕が高くて顎が下がると肩こりや首のシワ、ストレートネックなどの原因になります。また、枕が低いと頭が下がり、顔がむくんだり口呼吸などを引き起こすことに。顎がうつむくでもなく仰向くでもなく、首がスッと伸びて呼吸がしやすい状態を保てるのが理想の枕です」 頭の形や体型によって最適な枕はそれぞれ異なる。プロのアドバイスを聞くのが最も手っ取り早いが、自分で選ぶなら高さが変えられるタイプの枕で各自調整を。
取材・文/石飛カノ(初出『Tarzan』No.876・2024年3月21日発売)