母犬に頭を噛まれて後遺症 真っすぐ歩けなかったフラットコーテッド・レトリバーに起きた奇跡 平衡感覚取り戻し散歩の楽しさ満喫
フラットコーテッド・レトリバーのメスの子犬、みゆちゃん。生まれて間もなくして母犬に頭を噛まれるという大けがを負い、脳に障がいが残りました。その後、静岡県の団体・スリール~犬達の幸せ探し~に保護されました。 【写真】できることが一つでも増えますように。預かりボランティアさんとの暮らしが始まりました
平衡感覚が鈍くまっすぐ歩くことができない
障がいのため、みゆちゃんの動きは健常なワンコとは違いました。 視力が弱く、小さいオモチャや色がはっきりしないオモチャを見つけることができません。弱視でも認識しやすい大きなボールなどで遊ぶことが多く、またオモチャを持っている人間の手まで誤って噛んでしまうことがあります。力の加減も苦手で、遊びのつもりが本気噛みになってしまうこともあります。 平衡感覚が鈍く、まっすぐ歩いたりその場に立っていることが苦手です。まっすぐ歩こうとしても、左右どちらかに寄ってしまい結果的にグルっと回ってしまう格好に。そのため、排泄時は用を足した後もグルっと回ってしまいます。1日に何度もてんかんのような発作を起こし、そのまま倒れたこともあります。
まっすぐ歩けないみゆちゃんを抱っこしての「散歩」
動作全てが痛々しく、胸が締め付けられますが、悲しんでいても始まりません。みゆちゃんのお世話を買って出た預かりボランティアさんは努めて明るく接し、ほんの少しでも、みゆちゃんができることが一つでも増えるように二人三脚で過ごすことを誓いました。 まっすぐ歩くことができないため、散歩は抱っこ。うまくできないトイレ対策として、団体の支援者から送られたオムツなどを履かせたり、比較的体のバランスを保ちやすい芝生の上に定期的に連れ出したり、少しでもストレスを抱えさせないように世話を続けました。
平衡感覚が蘇り、自らの脚で散歩に出られるようになった
穏やかな日々を送るみゆちゃんでしたが、保護から3カ月ほどが経過すると、平衡感覚が蘇り、他のワンコと同じように座ったり走ったりできるようになりました。 さらには、自らの脚で散歩にも出られるようになったのです。 まさか散歩に出られるなんて…と預かりボランティアさんはみゆちゃんのがんばる姿に感激。「自分で歩けるようになるなんて、すごいね!」と褒めたたえました。
がんばり続けるみゆちゃんに「家族」が見つかりますように
保護当初は1日に何度も起こしていた発作の回数も随分減りました。ただし、エサの時間になると、あまりのうれしさから飛び跳ね続けている途中で発作を起こすことがあります。預かりボランティアさんはみゆちゃんに悟られないようにエサの準備をしています。それでも保護当初より不安が随分減りました。 団体では、障がいも含めてみゆちゃんの全てを受け入れてくれる里親さんとの出会いを待っているとのこと。障がいを抱えつつもがんばって成長を続けるみゆちゃんに、朗報が届くことに願っています。 (まいどなニュース特約・松田 義人)
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