「神奈川ビジョン」発表 黒岩知事が会見(全文4)直ちに休業要請解除とはならない
判断するのは知事か
読売新聞:それで結局、大きく外れた4日間って判断されるのは知事ということになるんでしょうか。 黒岩:これは専門家と同時に中野先生にも相談しながら判断していきたいというふうに思います。 読売新聞:あと、発動基準のそれぞれの基準で、総合的に判断して発動するかどうかを判断するということなんですけど、この中で例えば重視する基準っていうのは何かあったりするんでしょうか。この1、2、3といろいろあると思うんですが。 黒岩:このK値といったものは重視したい指標だというふうに思っております。 読売新聞:最後にもう1点なんですけれども、先ほど知事は東京都の基準とは考え方が違うとおっしゃってたと思うのですが、段階的解除は、少なくとも業種ごとに段階を踏んでいくっていう、そんな理解でよろしいんでしょうか。 黒岩:今、先ほど申し上げましたけども、業種ごとにガイドラインといったものが整理されていますよね。そういったものを精査しながら、どういう形の段階的っていう表現がふさわしいのかといったことを検討してる最中でありますね。 読売新聞:ありがとうございます。
K値は以前からある考え方なのか
東京新聞:東京新聞の石原と申します。中野先生に伺いたいんですけれども、このK値というのはもともとある考え方なのか、感染症に対する考え方なのか、今回の新型コロナに対する考え方なのか、ちょっと機能的なところを教えていただきたいんですけれども。 中野:たぶん人間ですので同じようなことを考えている方はいっぱいいらして、きっと世の中にすでにあったと思うんですけれども、初めてじゃないかなというふうに自分では思っております。仮定としましては、こういうエクスポネンシャル、指数関数で増えていくものが最終的にフラットになる、そういう一般的な現象を解析するときに、そのフラットのなり方というのが1日1日、同じ割合でフラットに近づいていくという、そういう仮定の下で解析し直しております。そういう仮定を立てて先ほどのKっていう指標を立てますと、それが経過日数において直線的にいかないといけない。逆に直線的にいくと、その仮定はかなり正しいということが分かって、今度は傾きから、1日1日どうフラットに近づいていくかっていうことが逆算できる。そういう理論です。 だから感染症に限ったことじゃなくても、どんなものでも初めはエクスポネンシャルで上がっていって最後はフラットになるっていう、そういう一般的な現象で全て、適用できるものは適用できるんじゃないかなと考えています。 東京新聞:そうすると、特に今回のコロナが、例えば潜伏期間がこれぐらいだとか、発症から陽性判明までこれぐらいの日数が掛かるからこういう指標とか、そういうことではないという理解でいいですか。 中野:そうです。これはまったくの現象論でございまして、陽性患者数の推移をできるだけ精度良く予測するにはどうしたらいいかっていうところだけを考えております。だから感染症の専門家でもありませんし、疫学のこともなんの知識もありませんので、そうじゃなくて、陽性者の数が推移していくときにどういうモデルが成り立つかっていうことを考えて、たまたま非常によく成り立つモデルが見つかった、今回は神奈川・東京だけやっておりますけれども、だいぶ、世界15カ国で見ておりまして、アメリカは50州全部で見てるんですけれども、だいたいのところで同じようなモデルで記述できますので、今回の新型コロナの感染に関しては、わりとよくマッチするモデルなんではないかというふうに考えています。