網戸にしたい夏に頻発「迷子猫」 観察・張り込み捕獲に1カ月も…捜索は心と体の忍耐勝負 ねこから目線。の現場から
網戸で風通しを良くしたい季節になりました。この時期、ぐっと増える依頼が迷子猫捜しです。 【写真】タイヤ下の溝から無事保護できた猫さん。おうちに戻ってご飯を食べ、一安心です 「昨夜、網戸にして換気していたら飼い猫が網戸を開けて外に出てしまいました。マンションの2階ですが、気付いたときには1階の共有スペースにいました。慌てて行ったんですが、見失ってしまいました…」という猫さんの現場に伺いました。最後に猫さんを見かけた場所はフェンスで囲われていますが、猫さんなら通れる隙間があちらこちらにあります。 じっくり観察すると、白い毛が数本ついている場所が1カ所ありました。どうやらこの隙間を通って裏の会社のバックヤードに入ったようです。事情を説明して中に入らせていただき、物置の下や排水溝をのぞいていくと、物陰に隠れた排水溝の部分に迷子の猫さんがいました。好奇心でお外に出てみたものの、知らない人や車の音に怖くなって、溝に隠れてじっとしていたようです。 飼い主さんにも来ていただき、そっと声掛けをしてもらいながら無事に保護することができました。迷子になった翌日の連絡だったので毛の痕跡をたどることができ、猫さんが移動してしまう前に見つけてあげることができました。 交流サイト(SNS)では、ハーネスをつけて楽しそうに散歩する猫さんの動画が人気を集めていますが、それは猫さんがリードで散歩できることが珍しいからです。「4日前、ハーネスとリードをつけて公園でお散歩デビューさせようとしたら、パニックになってリードを抜けて逃げてしまいました」という猫さんのケースでは、日数がたっているのに加えて広い場所から走り去っているため、痕跡がたどれません。やみくもに捜すとかえって追い払うことにもなりかねないため、近隣の方に事情を説明して観察用の小型カメラと餌を設置していきました。 翌朝確認すると、山沿いの茂み近くに設置した1つのカメラにノラ猫さん、アライグマ、ウサギ、とバリエーション豊かなメンバーが登場する隙間に迷子の猫さんが写っていました! さっそく近くに捕獲器とカメラを設置し、張り込み捕獲を開始します。 待つこと2時間、迷子の猫さんが登場! 順調に保護ケージに近寄りましたが、何かに驚いて走り去ってしまいました。でも、ケージの中にご飯があることは認識したはず。また戻ってくると信じてさらに待つこと3時間、再び登場した猫さんがついにケージにイン! 時刻は深夜1時半になっていました。