子どものころの記憶がほとんどない--「歌うサイボーグ」だったさくらまや、 無職 からの再出発
かつて史上最年少演歌歌手として注目されたさくらまやも、現在大学4年生。自力で学費を払い、この夏、庭つき一軒家を購入したが、一転“無職”に……。「歌うサイボーグだった」と自らを振り返る、かつての「演歌少女」のターニングポイントは、まさに今。ピンチは果たして、チャンスに変わるのか…?(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース 特集編集部)
無職になった演歌歌手
小学生の演歌歌手として一躍名を馳せ、TV・舞台で子役としても活躍したさくらまや。あどけない瞳に、小柄な体。そこから発せられるパンチのある歌声が、印象深かった。デビュー当時10歳だったさくらも、現在22歳。大学4年生になり、卒業論文を執筆中だ。 高校に進学してからは「学業に専念したい」と芸能活動をペースダウンしていたが、祭りなど地方営業のオファーは多く、毎夏ミュージカルにも出演するなど、仕事と学業の両立を器用にこなしていた。つまり、小学生の頃から、きちんと稼ぎ続けていた。大学の学費も、すべて自己捻出している。今年に入って、郊外に広々とした庭つきの一戸建ても購入。挫折知らずの人生だった。 そう、2020年の夏までは。
今年7月 家を買った だけど8月 無職に 22歳で建てた演歌御殿 ローン地獄 まだ2回しか払ってない 月末怖い 悔しくて一人(サンドバックを殴る蹴る) 気づけば朝(拳から血が出てる) 払っていけるのは自分自身だけ それだけさ 大人を信じて今は無職 だから本音言うよ 演歌なんて歌いたくない アニソン歌いたい 「おばあちゃんのため紅白出たい」 そんなもん全部嘘 本当はお祭りの営業だけやってたい 個人事務所よ 立ち上がれ お仕事ちょうだい これは、さくらがバラエティ番組で熱唱し、話題を呼んだ『紅蓮華』の替え歌『不安げ』の歌詞だ。昨年末には同番組で続編『不安げII』を披露し、「人生最大の恥晒した すると仕事きたよ!」と歌い上げ、再び茶の間を沸かせた。 あの健気な小学生演歌歌手だった彼女に、いったい何が起こったのか。 さくらが両親と暮らす、茨城県取手市の“演歌御殿”を訪ねた。