『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督も嫉妬する台湾映画の鬼才ギデンズ・コーとは
『ゴジラ-1.0』続編あれば「出たい」
山崎は、コーの話を聞きながら「撮影のスタイルが似ているのかも。楽しそうに撮っているイメージがある」と言う。 コー 僕の現場は悪ふざけばかり。笑いは絶えないですが、僕が一番怒られていることもあります(笑)。 山崎 僕も同じです。監督って現場では意外とやることのない時間も多くて、待ち時間に別の作品のことを考えていると、「ちゃんとしてください」と怒られる(笑)。 日本の漫画やアニメーションの熱狂的ファンであるコーとクーは、山崎に対し、『ゴジラ-1.0』の続編が作られるとしたら「ゴジラが台北で大暴れするところを見たい」「中国語をしゃべる役があれば少しだけでも出してほしい」と直談判。山崎は、日本版『あの頃、君を追いかけた』の主演俳優である山田裕貴とクーの「ツーショットを見てみたい」と応じた。 山崎 台湾には何度か行ったことがありますが、街が本当にすてきで、自然と建物の関係もすごくいい。いつか台湾で映画を撮るチャンスがあればうれしいですね。 コー 山崎監督が『あの頃、君を追いかけた』をリメイクしたがっていたと聞けてよかったです。映像に対する美学など、お互いに共通点がたくさんあると思うので、ぜひリメイクしてほしかったですが、その悔しさが本当なら、無念をずっと抱えたままでいてほしいと思います(笑)。 通訳︰池田リリィ茜藍 取材・文:稲垣貴俊
【作品情報】『赤い糸 輪廻のひみつ』
監督・脚本:ギデンズ・コー 出演:クー・チェンドン、ビビアン・ソン、ワン・ジン、マー・ジーシアン 製作年:2021 年 製作地:台湾 上映時間:128 分 配給:台湾映画社、台湾映画同好会 和歌山 シネマ203にて上映中 福岡アジアンフェスティバル2024(10/3、10/6) 第39回水戸映画祭(10/6)にて上映
【Profile】
稲垣 貴俊 INAGAKI Takatoshi ライター/編集者。海外映画を専門に、評論やコラム、インタビューなど幅広い文章を、書籍・雑誌・映画パンフレット・ウェブメディアなど多数の媒体で執筆する。国内舞台作品のリサーチ・コンサルティングも務め、近年は『パンドラの鐘』(杉原邦生演出)や木ノ下歌舞伎作品などに参加。