ノボの「ウゴービ」、米医療制度破綻させる恐れ-サンダース議員警告
(ブルームバーグ): デンマーク製薬会社ノボ・ノルディスクが販売している肥満症治療薬「ウゴービ」の価格が下がらなければ、米国の医療制度が破綻しかねないとバーニー・サンダース米上院議員が新たな報告書で警告した。
同議員が委員長を務める上院厚生教育労働年金委員会の主要スタッフがまとめた報告書は、「医薬品の価値に基づいた価格設定」がそのまま認められるわけではないとし、ノボに対し価格引き下げを求める圧力を強めている。
同委員会は4月後半、ウゴービの月額約1350ドル(約21万円)といったノボの価格設定に関し調査を開始。適応外で肥満症にも利用されるノボの2型糖尿病治療薬「オゼンピック」について、利益込みで月5ドル足らずで製造できるとの調査結果を受けたものだ。
今回の報告書によると、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)とメディケイド(低所得者向け医療保険)では、肥満症の人の半分がウゴービなどの肥満治療薬を摂取した場合、負担額が年1660億ドルに達する可能性がある。
サンダース議員は、価格が「法外」だとしてノボへの批判を強めている。今週にはデンマークの大手新聞社に送付した書簡で、肥満との闘いを支援するためノボに対し米国での販売価格を引き下げるよう圧力をかけてほしいとデンマーク国民に訴えた。
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原題:Novo’s Wegovy Will Bankrupt Health System, Senator Sanders Says(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Madison Muller, Naomi Kresge