Wリーグファイナルの初戦に勝利した富士通、積極的なドライブで得点量産の林咲希「みんながアグレッシブに行く気持ちにさせてくれた」
勝てば優勝の第2戦へ向けて「明日も思いっきり攻めていきたいと思います」
接戦を制した富士通だが、持ち味である3ポイントシュートは「ウチの3ポイントシュートはトランジションから打つ本数が多いです」とテーブスヘッドコーチが語るように、デンソーの徹底したハリーバックによって得意な状況から打つことができず、いつもより少ない17本試投の3本成功のみに留まった。それでも2ポイントシュートの成功率53.3%が示すように手堅いハーフコートオフェンスを遂行できたことが勝利に繋がった。そして長距離砲の不発を効果的な2点シュートで補うことを、個人で最も体現したのがエースシューターの林咲希だ。 デンソーの厳しいマークによって、林はタフショットを打たされ3ポイントシュートは5本中1本成功のみ。だが、3ポイント封じで間合いを詰めてくる相手に対し、積極的なドライブによって2点シュートは7本中5本成功をマーク。また、冒頭で紹介したテミトペの得点は林のアシストであり、14得点3アシストと見事なプレーで勝利に貢献した。 林はロースコアに抑えたディフェンスに加え、「オフェンスに関しても自分たちのバスケットがしっかりできたと思います。中にはできていない時間帯もありましたが、自信を持って戦えたのは良かったです」と、オフェンスについても手応えを語る。 そして、自身のプレーについては「(3ポイントは)もうちょっと打てたと思います。迷いがあったことが、5本中1本成功になってしまいました」と反省しつつ、効果的なドライブについてはチームメートのおかげと強調する。「今日はみんながドライブでアグレシッブに行っていました。私もしっかりアタックしようという気持ちにみんながさせてくれました。その結果、シュートを決めることができました。明日も思いっきり攻めていきたいと思います」 テーブスヘッドコーチは「数年前のレッドウェーブだったら、3ポイントが入らなかったらデンソーさんのような上位チーム相手に勝つことは難しかったです」と語る。だが、今の富士通は当時と違う総合力を兼ね備えたチームとなったことをあらためて証明する今日の勝利となった。
鈴木栄一