原子力規制委が定例会見 テロ対策期限の延長認めず(全文2)不適合は看過できない
処理済み水は海に放出するのか
KBS:そうしますと汚染水のことでお聞きしたいんですが、今の現時点では海のほうに放出するという立場でよろしかったでしょうか。そうであれば、それに対する根拠、あるいは科学的な立証とかはあってのことなんでしょうか。いかがでしょうか。 更田:まず言葉の訂正ですけども汚染水ではなくて処理済み水です。処理をした水です。で、トリチウムという核種は取り除くことができないので、その中に含まれています。これの処分の仕方に関しては、原子力規制委員会は明確な方針といいますか見解を示していて、希釈して、告示濃度という、いわゆる基準を守る形での海洋への放出が現実的な選択肢であるという見解を示していて、それは変わりません。 今、申し上げた告示濃度制限という基準は、環境に影響の出ないように定められているもので、その範囲を守る限りにおいて健康影響やあるいは海産物への影響というのは科学的に考えられるものではありません。 KBS:ありがとうございます。もう1つ、そこでお仕事をされている方々のことなんですが、今後外国の人も活用するという報道がありましたけれども、それについてちょっとお聞きしたいのと、そういった方々の実際働くにおいて専門性を持たせるのかどうかですね。持たせるものであれば、教育はどのようにされていらっしゃるものなんでしょう。 更田:これはまだ、東京電力から直接具体的な話を聞いているわけではないので仮定の話になりますけれども、原子力に関わる規制を行う規制機関として、外国人を雇用する、ないしは外国の方にああいった現場で働いていただくことに関して直接的な規制権限があるものではないですけれども、一方でそこで、ああいった困難な場で働く人に対して、十分な知識を持ってもらうこと。例えば教育もそうですし、それから状況に対する理解を持ってもらうことは大変重要だし、さらには何か起きたときにコミュニケーションをきちんと取れるかどうかというのは大変重要なことだと思っていますので、これは作業内容にもよるんだろうと思っています。 廃炉作業といっても単純作業からさまざまな判断を必要とするような作業、さらには放射線に対する十分な遮蔽、放射線を浴びないように考えつつ作業しなきゃならないケースと、さまざまな作業がありますし、またやはりあれだけ困難な廃炉作業に取り組むわけですから、国外にも優秀な技術者はいっぱいいて、やはり借りられる力は借りたいと考えるのは当然なので、一概に外国の方が廃炉作業で働くことを否定はしませんけれども、ただやはり十分な配慮、十分な準備が必要だと思いますし、今後具体的な提案があればそれはまた議論して考えていくところではあります。