京阪交野線、「難読駅」つなぐ「難読路線」の実力 何と読む?「枚方市」から「交野市」を経て「私市」に至る
■「枚方市」は読める? それぞれ「まいかた」「こうの」などと間違えられることが多いというが、「ひらかた」「かたの」が正解だ。交野線の半数の駅が所在地とする枚方市はホームページなどで「マイカタちゃいます、ひらかたです。」とアピールする。京阪グループが運営する遊園地「ひらパー」こと「ひらかたパーク」も知名度アップに貢献しているといえそうだ。さらに目立たないが、交野線の駅では「郡津(こうづ)」も読むのが難しい。
交野線は1929年に枚方東口(現・枚方市)―私市間が信貴生駒電鉄枚方線として開業した。同社は現在の近畿日本鉄道生駒線と、かつて存在した信貴山下―信貴山間の鋼索線(1983年廃止)を開業させた信貴生駒電気鉄道を前身とする。 信貴山朝護孫子寺への参拝客輸送を目的に生駒方面といずれつなげる計画だったが実現せず、枚方線は交野電気鉄道を経て第2次世界大戦後に京阪交野線となった。全線が複線化されたのは1992年のことだ。
■「交野市の交野山」読める? 本線と接続する枚方市を除いた交野線各駅について、2023年の乗降人員(11月8日調査)を見ると、終点の私市の1つ手前、河内森が9416人で最多。その手前の交野市は8664人で2番目に多い。一方、私市は2449人でもっとも少ない。 交野市駅はその名の通り交野市の玄関口で市役所は駅の東側にある。一方の西側には駅ビルの「京阪交野ビル」とバスのロータリー。京都駅八条口とを結ぶ京阪バスの「ダイレクトエクスプレス直Q京都」が発着する。真東の方角に見える標高341mの山は交野山(こうのさん)という名称で、山頂の巨岩がハイキング客に人気だ。
交野市から私市方面は上り勾配が目立つようになってくる。第二京阪道路をくぐると河内森駅。約300m離れたJR学研都市線(片町線)の河内磐船駅との乗換駅としての利用が多い。 学研都市線は京都府南部の木津駅から大阪市中心部の京橋駅を結んでおり、JR東西線、さらにその先でJR神戸線・福知山線に直通する列車が走る。学研都市線も祝園、四条畷、住道、放出といった難読駅名が豊富だ。 そして終点の私市駅。地名はその昔、皇后のために置かれた私部(きさきべ、きさいべ、きさいちべ)に由来する。交野市内ではいまも市役所や交野市駅があるあたりを私部(きさべ)と呼ぶ。私市の駅前広場は「キサイチゲート」と名付けられイベントが開催できるようになっている。