昨季のリベンジか?今季初勝利か?前半戦のキーゲームはフロンタウン! 川崎フロンターレU-18×市立船橋高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第6節】
背負った『7番』は昨季のキャプテンでもある太田隼剛(桐蔭横浜大)から受け継いだ番号。「隼剛にLINEで『7番になったよ』と言ったら、『オレを超えろよ』と返ってきたので、隼剛から自分になった7番を、市船の伝統的な番号にしていきたいです」と意気込む峯野の攻守に渡る躍動が、チーム待望の初勝利を掴み取るためには必要不可欠だ。
『10番のセンターフォワード』を任されている久保原心優の奮起にも、大いに期待したい。昨シーズンはプレミアこそ2得点に終わったものの、高校選手権では準々決勝と準決勝でもゴールをマークし、通算3得点で大会優秀選手にも選出。年始からはU-17日本高校選抜の活動にも参加し、一躍脚光を浴びた。
ただ、今シーズンはここまでまだ無得点。大宮U18戦ではGKを外して、無人のゴールに流し込んだシュートがスーパークリアに遭い、FC東京U-18戦でも豪快なミドルはクロスバーを叩く。前節もGKと1対1のシーンを迎えるも、シュートの軌道はわずかに枠の右へ。やや運に見放されている感も否めない。それでも今年の市立船橋でエースを張るのは、やはりポテンシャル抜群のこの人。久保原がゴールを奪えるか否かは、常にチームの勝敗に直結すると言っても過言ではない。
なお、この対戦カードは川崎U-18にとっても大きな意味を持つ。昨年の10月25日。プレミアEAST第16節の延期分として、平日開催となったアウェイの市立船橋戦。前半で2点をリードしていた彼らは、後半に3点を奪い返され、大逆転負けを喫してしまう。結果的に優勝を逃す遠因となったこのゲームに出場していた選手は今季も残っており、2024年の川崎U-18が掲げているキーワード、『後半まで足が止まらない』『ひっくり返す力』を身に付けてきたことを証明するには格好の相手だ。
「前回は2点獲って、3点獲られたという試合をしていますので、そこは去年見つかった改善点ですよね。まさしくこの相手にどうできるかというところが、今年のチームの進化を問われるような気持ちで選手たちはいると思います。その時も試合に出ていて、本当に悔しい思いをしている子がいるので、やってくれると思います」(長橋監督)。昨季のリベンジか、今季初勝利か。両者の思惑が交差する週末のフロンタウンのピッチは、熱く燃えるに違いない。
文:土屋雅史
土屋 雅史