首位・広島も敗れてJ1優勝争い大混戦!! 中野就斗スーパーボレー先制弾も、湘南が残留に大きく近づく後半AT逆転劇!!
[10.19 J1第34節 湘南 2-1 広島 レモンS] J1リーグは19日、第34節を各地で行い、首位のサンフレッチェ広島が湘南ベルマーレに1-2で敗れた。下位相手の痛い逆転負けで、勝ち点65のまま足踏み。今節は2位のヴィッセル神戸も敗れて勝ち点64、3位のFC町田ゼルビアもドローで勝ち点60にとどまった中、残り4試合で首位はキープしたものの、J1優勝争いは大混戦の様相を呈している。 【写真】「昇天した」「救急車で運ばれちゃう」伊東純也のモデル顔負けショットに大反響…久保建英らも脱帽 国際Aマッチウィーク明け最初のJ1リーグ戦。ホームの湘南はJ1残留に向けて負けられない試合が続く中、前節・東京V戦(○2-0)に勝利した先発メンバーをそのまま送り込んだ。一方、前日18日の試合で2位の神戸が敗れ、首位の広島は独走がかかる一戦。前節・磐田戦(○2-1)からは先発1人を入れ替え、18歳のMF中島洋太朗が11試合ぶりに先発した。 試合の主導権を握ったのはアウェーの広島。前半14分、自陣からの縦パスをMFトルガイ・アルスランが巧みにフリックし、攻撃を加速させると、松本泰志が左にさばく。そこにオーバーラップしていたMF東俊希のクロスにFW加藤陸次樹が頭で合わせたが、ヘディングシュートはゴール左上に外れた。 なおも攻める広島は前半16分、MF川辺駿の縦パスを受けたアルスランがしなやかなフェイントから持ち運び、自らシュートを放ったが、これは湘南のDF鈴木淳之介がブロック。さらに同19分、左サイドを中島、アルスランでテンポよく打開し、川辺の鋭いミドルシュートがゴール左上のいいコースを突くも、GK上福元直人のファインセーブに阻まれた。 そうして迎えた前半28分、広島が規格外のスーパーゴールで試合を動かした。左サイドで東、川辺が近い距離で絡み、縦に持ち運んだ加藤がフリーの右サイドに展開すると、ペナルティエリア右で受けたのは中野。ファーストタッチはやや浮かせる形となったが、バウンドが落ち着いたところで右足一閃。鋭い弾丸シュートをニアポスト脇に突き刺した。 ところがその後は湘南がなんとか持ち直し、うまくボールを動かしながらオープンな展開を阻止。すると前半アディショナルタイム3分、湘南はMF小野瀬康介の右CKからゴール前で混戦を作り出すと、鈴木淳、FW福田翔生がつないだボールをDFキム・ミンテが押し込んだ。劣勢を打破する同点ゴールかと思われたが、ここでVARが介入。福田が競り合いの際、DF佐々木翔の頭を蹴っていたことが確認され、ゴールは取り消された。 0-1のビハインドでハーフタイムを迎えた湘南は後半開始時、守備で後手に回っていたMF松村晟怜とMF平岡大陽を下げ、DF畑大雅とMF茨田陽生を投入。すると同3分、今度こそ同点に追いついた。分厚い右サイド攻撃を繰り広げる中、茨田のクロスはGK大迫敬介にパンチングでクリアされたが、こぼれ球に福田が反応。左足でシュートを放ち、懸命に戻った大迫の逆を突くコースに流し込んだ。 追いつかれた広島は後半7分、相手のパスミスを拾った加藤が前に持ち運び、松本が右に流すと、エリア内まで走り込んだ川辺がペナルティエリア右の角度のないところから狙うも、これは右ポストに直撃。同20分にはカウンターから加藤が右サイドを突破し、中にクロスを送ると、アルスランのパスを受けた川辺がまたも良いシュートを狙ったが、上福元のスーパーセーブに阻まれた。 なおも攻める広島は後半21分、松本が右のポケットからクロスを送ると、これも上福元の素晴らしい反応で防がれたが、そこから波状攻撃を展開。最後はアルスランがフリーで右足シュートを放つも、わずかに右へと外れた。対する湘南は同25分、MF田中聡のボール奪取から小野瀬がスルーパスを出し、これに福田が抜け出すも、1対1のシュートは大迫に阻まれた。 湘南はその後もスピードあふれる攻勢を続け、後半28分には茨田のクロスにDF大岩一貴が飛び込むも、ヘディングシュートは惜しくも右に外れる。広島は同35分、荒木が負傷交代し、DF新井直人が途中出場。中野がリベロに回った。 その後も勢いを持ったのは湘南。後半42分には鋭いカウンターから途中出場FW根本凌がアクロバティックなバイシクルシュートを狙い、スタジアムのムードをいっそう高める。一方の広島は同43分、最後の交代でアルスランに代わってMF満田誠を入れ、攻勢を試みた。 それでも最後は湘南が押し切った。後半アディショナルタイム2分、福田のスルーパスに抜け出した畑が深い位置を取ると、折り返しのパスを受けた田中がドリブルで持ち運び、最後は中野をかわして左足一閃。ゴール左上隅に突き刺した。 そのまま試合はタイムアップ。湘南が劇的な逆転勝利で勝ち点を41とし、一気に13位まで浮上。J1残留争いを大きく抜け出した。