シーイン 、コンテンツ制作の内製化について語る。新作投入の短サイクルにどう対応しているのか?
ファストファッション大手のシーイン(Shein)は、新しい服を発売するのと同じペースでのコンテンツ制作をめざしている。 シーインのコンテンツ制作責任者を務めるマリサ・ラニヨン氏は、米モダンリテールが4月15日から17日にニューオーリンズで開催したモダンリテールコマースサミット(Commerce Summit)で、シーインがエンゲージメントと売上を促進するためにコンテンツ制作戦略をどのように立ててきたかについて語った。また同氏は、激しく変化し続ける同社の品揃えに遅れを取らないために社内のコンテンツ制作チームやライブストリーミングに投資したことについて話した。 シーインは2020年に、同社で購入した商品についてソーシャルメディア上に投稿する若者たちによって自然にバイラル化しはじめた。しかし当時、同社にはまだ明確なコンテンツ戦略を保有していなかった。CBSやレイチェルゾー(Rachel Zoe Inc.)でコンテンツ制作の豊富な経歴を持つラニヨン氏は2022年にシーインに入社し、パンデミック初期に同社が経験したオーガニック成長を継続させるという使命を与えられた。
社内にコンテンツ制作クルーを結成
「商品発売のペースが非常に速く、コンテンツ戦略もそのペースに追いつく必要があった。我々は迅速に反応し、対応しなくてはいけない。そのため私が作りたかったのは、そのような迅速なコンテンツ制作にすぐに対応できるような柔軟性のあるスタジオだった」とラニヨン氏は言う。 同社はファッショントレンドに対して迅速に対応できるようにするため、社内にコンテンツ制作クルーを結成することを解決策とした。それまではコンテンツ制作やその他クリエイティブサービスを外注していた。また、若い顧客層の関心を反映したコンテンツ制作を実現するために、戦略的な人材採用も行った。 「ブランドボイスには消費者の声を反映させる必要があると私は非常に強く感じているし、マーケターならば誰でもそう思うだろう。消費者は我々のブランドについてネットで話しているので、当社の場合は自社の消費者が誰なのかを見わけるのはごく簡単だった」。