意外! 5~6月は「熱中症になりやすい体」になっている。やりがち「誤った水分補給」の盲点にとは?【医師が解説】
今年は5月から暑さが増すと報じられ、熱中症リスクが早期から高まっています。まだ完全に暑さに対して準備が整っていない今の身体。今年は早くから調整しておく必要がありそうです。そこで今回は、早期から熱中症予防対策として、特に盲点になりがちなことをご紹介。熱中症対策に詳しい医師やエアコンメーカーに伺いました。 【データ】更年期の始まりのサインと気づいた年齢は?
冬の間に熱中症になりやすい身体になっているかも
「冬の間、活動量が低下すると、身体の暑さに耐えうる能力も低下しがちなのをご存知でしたか? 特に体温調節能力や汗をかく機能が低下している恐れがあります。このような状態のままだと、熱中症発症のリスクが高まってしまいます。」 そう話すのは、医師の谷口英喜先生。今年の夏に向けても、新刊『熱中症からいのちを守る』を出版し、熱中症や脱水症リスクに毎年警笛を鳴らしています。 谷口先生によれば、熱中症になりづらい身体づくりのために、一年を通じて長期的な対策を講じるのを勧めます。 ポイントとなるのは、「脱水になりにくい身体づくり」と、「暑熱馴化(しょねつじゅんか)」という暑熱環境への順応力を高めることの2点です。 ●脱水になりにくい身体を作るポイント 「体内の水分は、半分弱が筋肉に貯蔵されるため、脱水になりにくい身体を作るには筋肉量を増やすことが重要です。栄養としてたんぱく質を積極的に摂取した上で身体を動かすこと。長期的に筋肉が維持できるようにしましょう」 ●暑熱順化のポイント 「暑熱馴化には、タウリンやビタミンCが有効です。タウリンは魚介類や栄養ドリンクから摂取できます。筋肉疲労を回復する効果や身体のさまざまな機能を調節する働きがあることが知られていますが、近年、深部体温を下げる働きがあることも研究結果からわかっています。 ビタミンCには抗酸化作用があることで知られていますが、体内の活性酸素を減らすことで細胞を守り、炎症を軽減して暑熱順化をサポートする役割を果たします。 タウリンは牡蠣やあさり、しじみ、ほたて、はまぐり、たこ、いかなどの魚介類に多く含まれ、栄養ドリンクでも気軽に摂れますよね。ビタミンCはブロッコリーやじゃがいもなどの野菜や、レモンやキウイフルーツなどの果実に多く含まれます。タウリンもビタミンCも水溶性、つまり水に溶けやすいので、魚介類や野菜を煮てスープのようにしたお料理を汁ごといただきましょう。食事からも水分補給ができるので熱中症対策にもつながります」 また大前提として、規則正しい食生活と偏りのない食事、十分な休息を心がけることがポイントだそうですよ。