子どもがいない「おふたりさま夫婦」だから起こる「“相続”のヤバすぎる大問題」「妻が夫の遺産を100%相続できないって」本当?どうすればいい?専門家がわかりやすく解説
子どものいないおふたりさまの場合、この①は関係ありませんね。 問題になるのは、次からです。 ②故人に子どもや孫がいない場合、故人の親や祖父母(直系尊属)が相続人となる 故人に子どもがいない場合、親が存命であれば配偶者とともに相続人に加わります。 つまり、おふたりさま夫婦のどちらかが自身の親より先に亡くなったら、その親も相続人になるわけです。 そうなると、夫婦の財産といえども、親にも相続の権利が発生します。
子どものいる夫婦の場合、親は相続人になりませんから、ここは大きな違いです。 とはいえ、一般的な寿命を考えれば、親より先に亡くなる可能性は低いといえるでしょう。 そして最も問題になるのが、次の③です。 ■兄弟姉妹が相続人に加わる ③故人に直系卑属も直系尊属もいない場合、兄弟姉妹(傍系血族)が相続人となる 子ども(孫)、親(祖父母)がいなければ、兄弟姉妹が相続人に加わります。 ②の親と違って、故人の兄弟姉妹が存命している可能性は、かなり高いのではないでしょうか。また、仮に兄弟姉妹が亡くなっていても、子ども(故人の甥や姪)がいれば、代わりに相続人になります。
そうなると、おふたりさま夫婦の夫が亡くなった場合、妻だけでなく「夫の兄弟姉妹(甥姪)」も相続人に加わることになります。 ■相続割合は「親なら3分の1」「兄弟姉妹なら4分の1」 たとえば、おふたりさまの夫が1000万円の財産を残して亡くなった場合、妻が750万円、夫の兄弟姉妹が250万円を受け取ることになるのです。 「遺産なんていらないから、相続放棄するよ」と言ってくれる場合もあるでしょうが、「うちもいろいろ物入りだから、もらえるものならもらいたい」という場合も少なくありません。
たとえ相続放棄してもらえる場合でも、遺産分割協議書をつくり、判をついてもらうという面倒な手続きは必要です。 兄弟姉妹にも遺産を渡すことになれば、ふたりで準備してきた老後資産が減り、老後の生活も成り立たなくなるかもしれません。 ふたりで築いてきた財産を、配偶者に100%渡す方法はないのでしょうか? 配偶者に100%財産を残す方法は、簡単です。 それは「遺言書」を書いておくこと。 法的に認められる遺言書に「妻にすべての財産を残す」という旨が書かれてあれば、遺産が兄弟姉妹に渡ることはありません。また、遺産分割協議書も必要ありません。