バラの冬剪定はなぜ必要?剪定しても樹形がくずれるのは?
はじめてバラを育てる人に向けて、バラとのつき合い方、季節ごとのお手入れをやさしく解説する『趣味の園芸』連載「教えて松尾さん! はじめてのバラ」。1月号のテーマは「そろって咲かせる冬剪定」。 12月号では、半つる性のバラの剪定・誘引のワザを解説しました。「コンパクトな木立ち性のバラ」は冬の剪定で枝の高さをそろえて、お行儀よく咲かせるのが理想。今月は木立ち性の冬剪定の目的と昨年1月号で紹介した剪定の基本の復習、樹形がくずれた株の仕立て直しを紹介します。「みんなの趣味の園芸」で募集した、みなさんからのお悩みにもお答えしています。 ■連載より(一部抜粋)
なぜ剪定が必要なの?
冬は、バラにとって最も大切な剪定作業の適期です。冬の剪定は、春に理想の高さに近い位置で咲かせることが重要な目的です。さらに、しっかり剪定することで、新たなよい枝を出すきっかけにもなります。 バラの枝の太さは1株のなかでも均一ではなく、元気な太い枝もあれば、細い軟弱な枝もあります。特に木立ち性のバラは、冬の剪定である程度太さや高さをそろえてあげることで、枝の生育のバランスを調整することが重要です。 放任すると太い元気な枝にしか花が咲かず、細い枝はどんどん元気がなくなって枯れ、枝数が減ってしまうことが多いです。しっかり剪定してあげると、細い枝でも花が咲く確率が高まります。
剪定しても樹形がくずれるのは?
冬に剪定をしたのに、太く元気な枝だけが成長して、低くて細い枝が元気をなくすことも多いと思います。植え替えや消毒など、剪定以外のお手入れができているのにこうなってしまう場合は、切り方が足りない可能性もあります。 太くて元気な枝は、「切るのがかわいそう」と感じる方も多いかもしれません。ですが、太くて元気な枝をほかの枝より高く残すと、植物の「頂芽優勢」という性質で、高い位置の芽が優先して育とうとして、養分を独占してしまいます。 それを防ぐために、太くて元気な枝ほど、思いきって剪定してあげてくださいね! ほかの枝とのバランスがとれて枝数が減りにくくなり、太い新たな枝も出やすくなります。 『趣味の園芸』2024年1月号 連載「教えて松尾さん!はじめてのバラ」より