東京マラソン、GQエディターがサブ3.5達成!──アシックス「S4」と駆け抜けた42.195kmをリポート
東京マラソン2024が3月3日に行われ、GQエディター・神谷晃(50歳)が参戦。3時間25分18秒でゴールし、目標のサブ3.5を達成した。 【写真を見る】好プレイ&珍プレイを振り返る!(全19枚)
3度目の東京マラソンは、大苦戦
苦しい。いつも気持ちの昂りを抑えられずにギアが上がる銀座の中央通り、京橋の交差点を越えても手応えがない。カルティエ、ウブロのブティックを通過して銀座和光を右折する東京マラソンの花道こそ踏ん張れたものの、もはやここまで。晴海通りを左折すると、苦手な日比谷通りが現れる。ゴールの丸の内まで残り約7km。田町で折り返すこの往復区間は本当に辛い。思い出すだけでもうんざりするほどだ。終盤も調子が良かった昨年の東京マラソンでも苦戦したのはこのエリアだった。 淡々と前進こそしているものの、帝国ホテルを通過したあたりで確信した。これは、ムリ。公言していたサブ3.5達成、つまり3時間30分を確実に切ることにターゲットを切り替える。4分40秒/kmをキープしてあわよくば3時間17分を目指すという隠しテーマはきっぱりと捨てた。 「目標は3時間30分切り」と公言していたのだが、今年もちょっと嘘である。こっそり3時間15分を目指していたことは伏せておいた。テスト前に「全然勉強していない」というアレである。一昨年も、昨年も触れたが、50歳、白髪まみれのマラソン小僧は今年も器が小さい。そういうズルい人間だ。
ここまでは4分40秒/kmから4分45秒でまとめていたが、増上寺を通過する36km付近では5分/kmにペースダウン。その後も、5分7秒、8秒、16秒とペースが落ち続ける。ガクッときた。脚がパンクしたわけではないが、なんとなく立ち止まったら終わるという確信はある。 ゴールの丸の内までは残り5km。記者の目標、サブ3.5達成、つまり3時間30分切りを考えると、これ以上頑張らずに流す、5分30秒/kmは越えない、を最低限のノルマとする作戦が良さそうだ。攻めない。置きにいった走り、ということになる。 ここで、マラソンにおけるサブ3.5はどんな意味があるのか、おさらいしておこう。3時間30分を切るためには、計算上42.295kmを4分58秒/kmのペースで走らなければならない。一般的には、サブ3.5を達成しているのは男性ランナー全体の上位約10%。男子ランナーの総数を約25万人とすると、約2万5000人がサブ3.5を達成していることになる。 昨年の同大会でサブ4をクリア、余力を残しつつ、3時間40分1秒でゴールしている記者としては、10分を縮めるのが今年のお題だ。なんとなく軽くクリアできそうな気がするではないか。ところが、たかが10分、されど10分。このあと、サブ4とサブ3.5の間にある高い壁を思い知らされることになる。