大逆風なのになぜか上がる意外すぎる「JT株」を分析して見えた…!「成熟企業の勝ち筋」と「珠玉の“高配当”5銘柄」を一挙公開する!
「安定収益」と「高配当」の強み
つまり、期先のキャッシュフローの発生をある程度の確度をもって予測しやすいため、将来的な心配をせずに安定的に高い配当を還元することが可能となる。 実際に、事業の安定性の指標として過去5年分の四半期ベースの純利益成長率の標準偏差(ばらつき)を算出し、値が非常に大きい日本板硝子と純利益の推移を比較してみると、その違いは一目瞭然だ。 図:日本たばこ産業(JT)と日本板硝子の純利益の推移の比較 そして何より、JTは時価総額が9兆円を超える日本を代表する大型企業である。言い換えれば、それだけ財務の健全性も高いため、利益の多くを配当に回しても、事業や財務に深刻な問題が発生することはないだろう。 事実として、JTの現在の配当性向はなんと70%を超えており、TOPIXの33%と比べれば、倍以上の水準だ。過去の推移を見ても概ね60%から80%の間で収まっている。 図:日本たばこ産業(JT)とTOPIXの配当性向の推移の比較 この事業の安定性、成熟した大企業、そして高い配当性向といった特性が、JTの安定的な高配当利回りを支えている要因であり、株価の急上昇の根拠のひとつになっているのだろう。 では、最後にこれまでの内容に沿って「JTのような高配当利回り銘柄」の存在を探ってみたい。
次に期待の「成熟・高配当5銘柄」はこれだ!
JTの条件に倣うなら、高配当利回りであることは前提として、過去の純利益の推移が安定的(標準偏差が低い)、時価総額が大きい、配当性向が高いといったところだろうか。 具体的な基準は決めの問題であるが、この条件に合致する5銘柄(JT含む)を抽出したので、添付しておく。諸条件は、リストの欄外に記載している。 図:日本たばこ産業(JT)に学ぶ超成熟・高配当株の例 さらに連載記事「まだある「日本の割安株」…! 絶好調の東証「‟割安”企業一覧」入りを目指す、プロ厳選「珠玉の15銘柄」を一挙公開する!」では、割安企業のヒントになる分析をしているので、ぜひ参考にしてほしい。
大川 智宏(智剣・OskarグループCEO兼主席ストラテジスト)
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