「103万円の壁」引き上げ 企業の9割超が賛成、約6割の企業は「130万円の壁」見直しも期待
Q3.「反対」の理由は何ですか?(複数回答)
「反対」理由の最多は他の「年収の壁」 税収減少の影響も懸念 「103万円の壁」解消に「反対」の理由は、「いわゆる『年収の壁』は複数あり、『103万円の壁』の解消だけでは意味がない」が73.4%(483社中、355社)で最も高かった。社会保険の扶養条件である「130万円の壁」などが残る整合性への疑問もあるようだ。 規模別では、大企業の85.7%(21社中、18社)に対し、中小企業は72.9%(462社中、337社)で、12.8ポイントの差が開いた。 次いで、反対理由で多かったのは、「自治体の税収減少につながり、公共サービスや補助が削減される恐れがある」の42.6%(206社)だった。「その他」の自由回答でも「他の増税に繋がる」との回答があった。国や自治体の税収減が、企業に跳ね返る懸念を拭えないようだ。
Q4. 「103万円の壁」に限らず、手取りに影響する年収の壁はいくつか存在します。安定した人手確保の観点に立った場合、どの壁の引き上げ(または撤廃)を望みますか?(複数回答)
社会保険の扶養対象基準「130万円の壁」6割の企業が緩和を求める 「103万円の壁(所得税非課税の上限)」を含め、他の「年収の壁」について変更を希望するか尋ねた。最多は「130万円の壁(社会保険の扶養対象から外れる)」の57.4%(5,883社中、3,382社)で、約6割の企業が選択した。次いで、「103万円の壁」が48.2%(2,837社)で続く。 約半数の企業が、税金と社会保険の両面で扶養認定の条件が緩和されることを望んでいる。 このほか、「106万円の壁(主に従業員51人以上の企業で社会保険の加入義務が発生)」の見直しは31.3%(1,846社)だった。規模別では、大企業が40.2%(487社中、196社)に対して、中小企業は30.5%(5,396社中、1,650社)で9.7ポイント低い。撤廃されると社会保険を適用する従業員が増えるため、コスト増に敏感な中小企業は、社会保険料の企業負担分が増えることへの懸念が強いことがわかった。 一方、「現状のままでよい」は10.1%(595社)で、税収減の悪影響を懸念しているようだ。