ソフトボール金メダリスト・上野由岐子「頑張る姿はかっこいい」と伝えたい #豊かな未来を創る人
ロス五輪での復活へ。ソフトボールの未来を築く
── 引き継ぐ立場として、次世代を育成する機会も増えてきていることと思います。今後、指導者としてどうありたいですか? 技術的なことも、人やチームとして大事なことも、伝えたいことが沢山あります。そのくらい自分も沢山教えられてきたので。 その中でも、「昔はこうだったから今もそうであるべき」ではなく、今の時代だからこそ変えていかなければいけないことがあると理解して、自分が感じたことを自分の言葉で伝えていけるようになりたいですね。 「今の子たちは」「今の時代は」とよく言われますが、今も昔も変わらないこともあれば、変わらなければいけないこともあると思うんです。特に、今の若い世代はコロナ禍でインターハイがなかったり、やりたいことができなかったり、声を出すなと言われたりするような時代を経験してきています。 自分たちとは全く違う時代を経験しているからこそ、若い選手たちの指導においては、昔と同じでは通じないものをどれだけ把握して言葉にしていけるかが重要だと思うんです。自分の過去に囚われず、"今"感じるものを言葉で伝えることで、上手く歯車を合わせていきたいですね。 ── 2028年のロサンゼルスオリンピックではソフトボールが復活します。それに向けてこれからソフトボールをどのように盛り上げていきたいと考えますか? やっぱり、毎回開催されるオリンピックの正式種目にしたいですね。オリンピック競技であるからこそ、子どもたちが夢を持てると思うんです。私自身「オリンピックに出たい」という夢があったから頑張れてきたし、苦しいことを乗り越えられてきました。だから、オリンピックの正式種目にすることで、明確な目標を持てるようになることには大きな意味があると思います。 ただ、正式種目にするには、ソフトボールを知っている人を世界中でもっと増やし、オリンピックという大きな舞台で認めてもらわなければなりません。そのためにはまだまだ発信が足りていないと感じているので、どんどんアピールしていきたいです。 それに、今私自身のネームバリューが大きくなってきたからこそできることや、私にしかできないことも少しずつ増えてきています。これからは選手業だけでなく、発信などの活動にも積極的に取り組んでいきたいです。