[ランクル250]の街中走行が超快適? 本格クロカン試乗で判明した本当の[実力]って
■街を走って快適なのはどのクロカンSUVだ?
撮影当日は雨まじりで風も強かったが、各車地に足がついた走りを見せつけた。なかでも安心感があったのはディフェンダーだ。エアサスペンションならではの上質な乗り心地に加え、コーナーでも無駄な動きを上手に抑え込んでいる。 2.6トンを超える重量ボディだが、ディーゼルターボは余裕の走りを披露した。不快な振動を上手に抑え込み、遮音も行き届いているから静粛性も高い。 逆に『20世紀のSUV』の印象が色濃かったのがラングラー。最もスパルタンなルビコンだったこともあり、最新モデルでもライバル3車よりハードな乗り味だ。高速走行では風切り音も小さくない。エンジンは40.8kgmを発揮する直4、2Lガソリンターボだから加速は俊敏で、速い流れを無理なくリードする。 いい意味でも悪い意味でもアメリカの香りを強く感じさせ、操って楽しいと思えるSUVだ。ドライビングポジションやペダル配置なども、右ハンドル車だとクルマに合わせる必要があった。ステアリングを握っていてちょっと閉塞感がある。直接のライバルは、ランクルでも昭和生まれの70系になるだろう。 注目のランクル250は街中から高速道路まで扱いやすく現代のSUVだと感じる。実際は大柄だが、走っていると大きさを意識させない。高速道路をストレスなく走れるし、コーナリングでも背の高さを意識させない安定感だ。 2.8Lディーゼルターボは4気筒だが、8速ATの採用により意のままに走れる。静粛性もなかなか高い。 その上を行くのがランクル300だ。ディフェンダーに近い性格で、悠々とした余裕の走りを披露した。3.3LディーゼルエンジンはV型6気筒のターボ付きで最大トルクは71.4kgm。加速はいいし、スムーズさや静粛性などの上質感でも4気筒のランクル250の一歩上を行く。 大柄だが意外にも取り回しがいいのもランクル300の魅力である。驚いたことに最小回転半径は4車のなかで一番優秀な5.9mだ。ランクル250は6.0mだが最新の電動パワーステアリングの採用によって滑らかな旋回を実現した。 また、舗装路を駆け抜けた時の走りの軽快感とスポーティな味わいもライバルにはないランクル250の魅力と言えるだろう。 ちなみにディフェンダーの最小回転半径は6.1m、ラングラーは全長が短いにもかかわらず6.2mである。これは悪路走行を意識して舵角を抑えていることもあるのだろう。取り回ししやすいのは日本勢だ。