「石鎚山」が紡ぐ新たな物語 山岳信仰体験や神秘的な夜の神社も インバウンド需要を見据えた観光コンテンツの進化
夜の神社が織りなす幻想的な世界
日が暮れても、ツアーはまだ終わらない。今回のポイントは「夜のコンテンツ」だ。澤田支店長は、「お越しいただいた方にお泊りいただいて、夜の楽しみですとか、食も含めて滞在していただくということが目的で」と、その意図を語る。 愛媛に泊まってもらおうと用意されたのは、特別にライトアップされた神社の本殿をステージにした幻想的な空間だ。そこで披露されるのは、石鎚神社の氏子が奏でる法螺(ほら)貝の調べ。 さらに、愛媛・新居浜市を拠点に活動する篠笛奏者・阿部一成さんによるミニコンサートも行われ、参加者らは夜の神社に響く音色に酔いしれた。 オーストラリア出身の参加者は、「きょうは最高でした。観光地も見てすごくありがたい。愛媛に来てよかったという感じがします」と感動を隠せない様子。一方で、「英語のサインとかあればもうちょっと海外から来る人が来るかなと思っている」と、インバウンド対応への改善点も指摘する。 愛媛県職員として参加した方も、「すごく楽しみながら回ることができたと思います」と評価しつつ、「周りにも色んな観光スポットいいところがあると思うので、そういうところ一緒に体験できたらいいのかなというところはありました」と、さらなる可能性を示唆した。
インバウンド需要に向け新たな観光を
このモニターツアーを通じて得られた貴重な意見や感想は、今後のツアー商品化に向けて大きな役割を果たす。日本航空は2024年度中のツアー商品化を目指している。 澤田支店長は、「きょうお越しいただいた方からいろいろなご意見を頂戴しまして、いろいろな専門家の方からのご意見も頂戴してコンテンツをさらにブラッシュアップしていいものを作り上げていきたいと思っています」と、今後の展望を語った。 石鎚山のふもとで始まったこの新たな挑戦。神秘と文化が織りなす観光の未来は、どのような形で実を結ぶのか。インバウンド需要の拡大を見据え、地域の魅力を最大限に引き出そうとする関係者たちの熱意が、新たな観光の形を生み出そうとしている。その行方から目が離せない。 (テレビ愛媛)
テレビ愛媛