東武百貨店の飼育員体験ができる体験型福袋では干支にちなんだ大きなヘビとの写真撮影もできる＝24日、東京都豊島区（福田涼太郎撮影）

百貨店各社が来年の正月商戦で目玉となる福袋の公開を始めた。福袋でも体験型の「コト消費」が人気となる中、各社は他では手に入らないような独自性や希少価値の高い体験の提供を追求。豪華クルーズ船旅行から動物園の飼育員体験まで、さまざまな企画が目白押しだ。「楽しい」福袋で利用客の来店促進や満足感向上につなげたい考え。 【写真】東武百貨店の昭和アイドルになりきれる福袋では、プロに撮影してもらった写真のブロマイドや写真集などが制作できる ■昭和のアイドルに〝変身〟 「初売りに足を運んだお客さまに楽しんでもらえるような福袋を用意した」 来年1月2～3日に初売りを実施する東武百貨店の田嶋潤也常務は、24日の福袋お披露目会でラインアップに自信を見せた。 同社は商品が入った福袋だけでなく、体験型福袋も「夢を応援！憧れや非日常を叶える福袋」をテーマに充実化。小学生対象の東武動物公園（埼玉）で飼育員体験ができる福袋（5000円）は、来年の干支にちなんだ大きなヘビをはじめ、さまざまな動物と触れ合える貴重な体験を楽しめる。 また、今年の正月に抽選倍率約140倍と人気1位だった昭和のアイドルになりきれる福袋は、専門スタジオでメイクや衣装も完璧に仕上げて写真を撮影。写真集やポスターなどの制作費込みで、今回は西暦にかけて2025円と格安だ。 高島屋は今年12月にデビューする新造クルーズ船で日韓の港を巡る7泊8日の旅を抽選販売。2人1組限定で最上級スイートルームを通常より割安の405万円に設定した。また、今夏のパリ五輪の新種目となったブレイキンで、日本代表として活躍したAYUMIさんによる小学生向けレッスン（5500円）など、新企画が盛りだくさんだ。 同社は来年、従業員の負担軽減などから、初売りを23年ぶりに2日から3日に後ろ倒しとする。広報担当者は「1日遅れでも来てもらえるようにするため、福袋のオリジナル感を強くした」と説明。申し込みは店頭受け付けのみで、種類も前年比で大幅に増やした。 ■花火を見ながらイタリアン そごう・西武は、横浜開催の花火大会当日に、会場近くにある有名シェフ直営のレストランでイタリア料理を楽しめる福袋を販売。商業施設7階の店舗を貸し切りとし、最大26人で100万円とした。店舗別では、そごう千葉店でしょうゆ工場見学や製造体験などがセットになった福袋、同横浜店では横浜中華街で肉まんづくり体験ができる福袋なども用意した。