米大統領選挙でマイノリティからの支持獲得に課題を残すハリス陣営
ハリス氏は白人からの支持を伸ばす
男性を中心に非白人層からの十分な支持を得ることが難しい中で、ハリス氏が大統領選を制することができるとすれば、それは人口全体の中での比率が低下傾向を辿る白人の支持をより得ることだ。 実際、ハリス氏は白人の支持率を高めているという調査結果が得られている。8月に実施されたニューヨーク・タイムズ紙の世論調査によると、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンの各州ではハリス氏の大卒白人有権者からの支持率が、バイデン氏が2020年に獲得した水準を上回った。他方で、非大卒の労働者階級の間では結果がまちまちだった。またWSJの世論調査では、ハリス氏の四年制大卒・白人有権者からの全米の支持率は、バイデン氏の2020年の支持率と並んだ。 ハリス氏が、遅れているマイノリティの男性の支持獲得を目指すのか、女性及び高学歴の白人からの支持を伸ばしていくのか、どちらに力点を置くかで、選挙の勝利に向けた戦略は大きく変わってくる。 (参考資料) "Harris Is Still Trying to Rebuild Biden's Winning 2020 Coalition(ハリス氏支持率、バイデン氏の20年当選ラインまだ下回る)", Wall Street Journal, September 4, 2024 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英