世界の宝、済州の宝…済州の中の海女文化を探して(2)
-スムビの音が響き渡る、城山日出峯(ソンサンイルチュルボン)の海女公演 「フュー、フュー…」海の向こう側から吹いてくる風の隙間をどこからともなく聞こえてくる口笛の音が埋める。海を舞台にして響く海女の合唱の声。幽玄なそのスムビの音(海女が水中で極限まで息を我慢し、水面に出てきた時に出す口笛のような音)に、数十年を海と苦楽をともにしてきた彼女たちの生き様が染み付いている。 海女がムルジル(海女漁)をする様子を近くで見てみたいと思うなら、城山日出峯を訪ねてみよう。城山日出峯の絶壁の下の海岸で毎日「海女ムルジル公演」が繰り広げられる。公演とはいうものの、特に舞台があるわけでもなく、見どころがたくさんあるわけでもない。海女が伝統漁船である「テウ」に乗り沖に出ながら歌う口伝民謡を少しだけ聞かせた後、日出峯の沖合にムルジルに出るというのがすべてだが、済州の海女とふれあうこと自体がちょっとした高揚感を感じさせてくれる。 城山日出峯海女ムルジル公演は毎日午後2時に開かれる。済州オルレ第1コースに属する城山閘門、牛島(ウド)とあわせて見るのにちょうどいい。 -海で生きてきた暮らしの知恵をすべて学ぶ時間、海女マウル(村)ステイin金寧(キムニョン) 海女がムルジルをしに海に出て行くことができる日は平均して年間で約70日あるかないかだ。365日ずっと海に入り、貴重な海産物を採ってきているようにも感じられるが、実際には到底無理だ。沿岸のエコシステム(生態系)が破壊されるという理由のほか、天気も思うようにいかない日が多いためだ。 海女の所得が減り、海女の数も急減している。ムルジルからの所得以外に新しい所得の創出が急がれている。 これに関連して、済州特別自治道と済州観光公社は10月31日まで「2024海女マウルステイin金寧」観光商品をオンラインチャンネルを通じて販売している。今回の商品は済州市旧左邑金寧(クジャウプ・キムニョン)の村で2泊3日コース、半日コースなど2種類が運営されている。 水中に潜水しなければならない海女体験の特性上、小学校4年生以上を伴った家族単位の観光客を主要ターゲットに商品を構成した。 海女作業場の探訪、海女との対話時間、海女とのムルジル、釣りおよびかがり火漁体験など、充実したプログラムが準備されている。 海女と一緒にムルジルに向かい、ゴーグル越しに見る済州の海は文字通り別世界だ。生きているサンゴやフグ、カワハギなど海中世界を見物する楽しさにあふれている。海女の説明にを聞きながらサザエなどを採取する体験も生涯忘れられない思い出になる。 -最優秀観光村・細花(セファ)で出会う海女文化、海女マウルステイin細花&海女と静謐な海 世界観光機関(UN Tourism、旧UNWTO)が選定した最優秀観光マウルであり済州観光公社マウル観光ブランドであるカルム(済州の言葉で小さな村という意味)ステイ(Kareum Stay)の一つである細花マウルでも海女ステイが体験できる。3泊4日間の細花マウルの海女ステイは成人だけを対象にしたもので、もう少し専門的にフリーダイビングを学び海女文化に触れることができる。 細花マウルは海女ステイだけでなく、村の資源を活用して、さまざまなプログラムを済州観光公社と企画している。そのうちの一つが10月26日に行った「海女と静謐な海(英文名:Chillin JEJU)」だ。住民たちが保存している海女文化資源と地域のウェルネスコンテンツを基に、短時間ではあるが十分なヒーリング旅行を提供したいとの思いから企画された「海女と静謐な海」は、参加者が細花で育ったローカル食材で作った食事を取り、海女の休息空間であるプルトクで海女のように休み、波を眺めながら静かで落ち着いた時間をただ過ごしながら、平常時には経験することができない新しい形の瞑想を通じて波のように穏やかな癒やしを受けることができる。 済州観光公社関係者は「済州に来て海女マウル観光商品を通じて済州の海女とふれあい、その話に耳を傾けて暮らしを体験する貴重な時間になるように願っている」とし「今後も済州を訪問する国内および外国人観光客に済州の海女を広く伝える一方、地域漁村契に活力を吹き込む観光商品の開発に率先したい」と話した。 記事に関連した詳しい内容は済州観光公社が運営する「VISIT JEJU」公式サイトと「VISIT JEJU」インスタグラムを通じて確認することができる。