阪神・藤川監督、現役ドラフトで加入の畠をブルペンのキーマンに早くも指名「先発じゃなく右のリリーバー」
阪神・藤川球児監督(44)が、現役ドラフトで巨人から加入する畠世周投手(30)をブルペンのキーマンに早くも指名した。高知市の春野総合運動公園野球場で野球教室を15日に行い、終了後に取材対応。補強ポイントだった右のリリーバーとして「一番欲しかった選手」と明かし、「一年間(1軍のブルペンに)いてもらいたい」とフル稼働を期待した。 【写真あり】藤浪晋太郎 阪神選手らとのプライベートショットに「すげ~メンバー」 藤川監督の頭の中では、畠は戦力として既に計算が立っているようだ。現役ドラフトで巨人から加入した右腕の起用法を聞かれると、きっぱりと答えた。 「先発じゃなくて右のリリーバーとして。8人なり9人なり、リリーフが必要だと思うんですけど、場所を問わずに、(1軍のブルペンに)一年間いてもらいたいなと思っている状況ではあります」 肌寒い関西を離れて温かい太陽が差した高知市で野球教室を開催したこの日、新戦力にフル稼働指令を出すほどの大きな期待をかけた。それもそのはず、畠はプロ8年通算83試合のリリーフ登板をして、敗戦投手に一度もなったことがない。藤川監督が掲げる「いかに僅差で相手と戦えるか。それがペナントでは凄く重要になる」というゲームマネジメントを考える上で、欠かせない戦力なのだ。 「今シーズンで言うと、負け越しているリリーバーもいる。やっぱりそれでは(良くない)。僅差を制することを当たり前にやっていきたい。そういう部分では、畠の経験はうちならうまくできるんじゃないかと」 同点や僅差の劣勢の場面だけでなく、通算19ホールド、2セーブのキャリアから、状況によっては勝ちパターンでも使える。浜地を放出して獲得した1メートル86の長身投手を一年の長丁場を戦う上でのキーマンと見込んだ。 「最初から名前が挙がった、一番欲しかった選手。僕と球団の考えが一致した。(現役ドラフトの)名簿にある選手を見た時に、甲子園で一番輝くだろうなと思ったので。あとはバランス。右のリリーフが少ない。彼が一番マッチする」 指揮官のイメージ通り、畠のセ・リーグの球場別防御率は、バンテリンドームの2・14に次いで2番目に良い2・18を甲子園で記録している。春季キャンプの1軍スタートも「もちろん」と明言。V奪回への準備が着々と進んでいる。 (倉世古 洋平) ○…畠は巨人時代の登板119試合の内訳は先発で36試合、中継ぎで65試合、完了で18試合。救援登板(中継ぎ+完了)の83試合では7勝0敗2セーブ19ホールドとデビューから無敗だ。21年6月以降は、山口の登板回避で緊急先発した同年10月2日のDeNA戦を除けば現在まで救援に専念。起用場面は、キャリア最多43試合で救援登板した21年で見ると、リードで17試合、同点で8試合、ビハインドで18試合と多岐にわたっている。 〇…藤川監督は、高知県スポーツ振興財団主催の野球教室で、小学生90人に指導した。「私の体が元気なうちは続けていきたい。野球を通して、テレビを通して“藤川さん頑張っているな”と、みんなの励みになればと思うし、互いに切磋琢磨(せっさたくま)して未来を創造できたらと思う」と話した。20年限りで現役を引退してから続けている活動。阪神監督に就任後も地元の活性化に貢献していく。 《代打枠もサバイバル!残留・原口も確約なし》藤川監督は代打枠も競争させることを明言した。国内FA権を行使して残留した原口について、「大事な場面で一打を打てる選手」と実績を評価したものの、役割を確約せず。「一打席に懸ける選手がうちの若い選手もいる。みんな必死でプレーしている。そこ(代打)で出る原口にしても糸原にしても、競争を勝ち抜いてという部分が来季もある。野手は激しい競争が見られるかな」とサバイバルを予告した。