ルーキーイヤーとは違うんだ! サージェント、会心の予選ラップに満足感示す。来季F1シート未定も「最後まで戦う。僕はファイターだ」
シーズン折り返しとなるF1イギリスGPで、ウイリアムズのローガン・サージェントは予選Q1を突破してQ2で12番手を獲得。今季のベストグリッドを獲得した自身の走りに「満足している」と語った。 【決勝グリッド表】F1 2024 イギリスGP 熾烈な中団争いの中でウイリアムズが後れを取っていることもあり、サージェントは今季ここまで無得点。チームメイトのアレクサンダー・アルボンと比較しても苦戦してきた。 しかしサージェントはF1参戦2年目となる今年、ドライバーとしてできる限りの走りができていると考えている。 そしてイギリスGPでサージェントは、アルボンと共に予選Q3へ進出することはできなかったものの、Q1突破とQ2での走りには満足していると語った。 「(Q3へ進めなかったことに)ガッカリはしていないよ」 予選後、サージェントはそう語った。 「僕らは計測ラップ、充電ラップ、計測ラップの流れでいこうとしていたけど、最終的には予選のあの時点で1周アタックを狙うべきだったかもしれない。それでも、セッションには満足している」 「見ての通りQ1は非常にトリッキーで、文字通り何が起きてもおかしくなかった」 「1周をまとめられたことには、とてもハッピーだよ。正直に言って、僕のQ2でのラップも良かった。ベケッツでアンダーステアが出てしまい、Q3進出の可能性を失ってしまった。それでも進出には届かなかったかもしれないけど、近づくことはできた」 「初日は軽い燃料の状態で3周走って予選を迎えたけど、最終的にはドライコンディションになって、良いラップを刻めた。これには満足している」 決勝に向けたフリー走行でのロングランで課題があったと明かすサージェントだが、アルボンのペースが良かったことから、悲観視はしていない。 そして決勝日の天候が読めないことから、準備を進めるとサージェントは語った。 「明日のことを考えると、コンディションは文字通り何でもあり得る。それが何であれ、課題をこなして準備つもりだ」とサージェントは言う。 「コンディションがどうなろうと、僕は深読みするつもりはない。何が起こっても良いように準備するだけだ」 アルボンは5月にウイリアムズと複数年の契約延長が発表されたが、サージェントの来季は未定。チームがカルロス・サインツJr.(フェラーリ)やバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)と来季に向けた契約交渉を行なっていることから、サージェントはF1に残留できるかどうかが疑問視されている。 そして、2025年からアメリカのインディカー・シリーズへ挑戦するプレマ・レーシングは、そのドライバー候補としてサージェントと話し合いを行なったことを認めた。 来季をめぐる憶測が飛び交うサージェント。そうした“雑音”にも上手く対処できたと思うかと訊かれたサージェントは次のように答えた。 「そうだね……どれだけの間、ノイズに悩まされてきたのか分からない! あらゆる方向からね」 「結局のところ、僕はレースに出て、頑張っているチームのみんなのために毎回全力を尽くすしかない。自分自身のためでもあるんだ。自分が向上し続けられるということを、自分自身に証明したい」 「頭の中では、本当の真実が分かっているし、今シーズンは、自分にできる限り良い仕事ができていると分かっている。僕にとってはそれが最も重要なことなんだ」 今季はオーストラリアGPで、クラッシュしたアルボンの“身代わり”として欠場を余儀なくされ、アルボンに優先的に新スペックのマシンをあてがわれるなど、チーム内でも肩身が狭いサージェント。チームメイトとの状況の違いから、真の実力を比較することは難しいとしながらも、今年は「満足」と言える走りができていると語った。 「2台同等のマシンを手に入れるまで、僕らがこれだけ時間がかかったということを考えれば。状況を明確に読み取るのは難しいと思う」とサージェントは言う。 「分かっているのは、自分の走りに満足しているということだ。昨年はそう言えなかった。しかし今年は言えるんだ」 そしてサージェントは次のように続けた。 「1番大事なのは、自分が良い仕事をしてきたということだ。シーズンを通して、自分が持っているモノで良い走りができたということは分かっている」 「鈴鹿(日本GP)の走りを見ても、マシンの面で恵まれない時でも、自分の力を発揮しようとしてきたことを誇りに思う」 「僕はファイターだ。どんな状況でも戦うし、最後まで戦い抜く。今回もその一例だ」
滑川 寛, Oleg Karpov