親孝行で1泊28万円の旅館をセールで予約→厚意で57万円の部屋へ…露天風呂付き「心を尽くしたおもてなしに感動」
ある高級旅館に行きたいという母親の長年の夢を叶えた娘の親孝行エピソードが、SNSで話題となっている。1泊28万円の宿をセール価格の19万9000円で予約したはずだったが、宿側の厚意で57万円の特別室に案内され…。一棟平屋の部屋には源泉かけ流しの露天風呂やサウナが付いてあり、心を尽くしたおもてなしに感動しきりだったという。 【写真】1泊57万円のお部屋…!露天風呂が付いています ■30年以上前に懸賞で当てた旅館 長崎県の「旅亭 半水盧(はんずいりょ)」。5000坪の庭園に、全て一棟貸しの離れが全14室ある。2019年にはミシュランガイドで宿泊施設として最高評価の五つ星、料理でも一つ星を獲得している。 母を旅館に連れて行ったのは、東京都在住の社会人女性の長女(25)とその妹。長女によると、宿を知ったのは約30年前。若かりし母が懸賞で半水盧のペアチケットを当て、親孝行の思い両親にチケットを譲ったことがきっかけ。宿泊した両親が宿の素晴らしさをことあるごとに語ったため、母は「いつか行ってみたい」と思いを募らせたという。 娘2人はその話を何度も聞いていた。そして母は50代になり、還暦を見据えて「終活」を考え始めた。家族とも話し合いたいとの思いに、長女が提案した。「せっかくなら、いい場所で明るく、終活の話をしようよ。夢だった半水盧に行こう」 長女は旅行サイトで、1泊28万円の部屋がセール価格になっているのを見つけて即予約。しかし9月9日、案内された部屋は雰囲気が違った。「予約した部屋は2階建てなんですが、案内されたのは平屋で…。『こちらがリビングで、露天風呂で、サウナで』と次々に紹介されて、専属の仲居さんも2人いて。調べたら、2棟しかない57万円の特別室だったんです」 ■一番感動したのは…? お洒落な家具に、さりげなく置かれている花瓶、ブランドのアメニティ…。洗練された空間はもちろん、感動したのは食事だった。この日は「重陽の節句」と呼ばれ、菊にまつわる日でもあるという。「一日だけの特別料理なのに、仲居さんが料理の説明を細かく手書きした紙を手渡してくれたんです。一つ一つの心遣いが本当に感動しました」 お風呂も何度も入って癒されたといい、露天風呂に続く通路に流れる源泉かけ流しの湯の響きに赴を感じた。母も大喜びで、「『胃ろうは嫌だ』『お葬式は私のピアノを弾いてほしい』とか、将来のことを笑って話せました」と長女は振り返る。 結局、なぜ特別室に宿泊できたのか理由は分からなかったが、請求金額はセール価格の19万9000円だった。帰宅後、長女は旅館に感謝の手紙をしたためた。「次、また来るために仕事を頑張ろうと思えました。絶対にまた、仲居さんたちに会いに行きます」 (まいどなニュース・山脇 未菜美)
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