ボクシング界のレジェンド”石の拳”ロベルト・デュランが新型コロナ陽性反応も「風邪の症状で重症化していない」
プロボクシングの元世界4階級制覇王者で、その強烈なパンチ力を“石の拳”と評された“レジェンド”ロベルト・デュラン氏(69)が新型コロナウイルスに感染したことが日本時間26日、判明した。息子のロビン氏がインスタグラムで明らかにしたものでESPNなど複数の海外メディアが報じた。 インスタに書かれたロビン氏の説明によると、デュラン氏は、風邪の症状を訴えたが、2001年の自動車事故で肺の一部の機能を失っているため大事を取ってパナマ市内の病院で受診した。ヘルスセンターでPCR検査を受けたところ陽性反応を示したため、そのまま入院措置が取られた。 ロビン氏は、「現時点で風邪に似た症状以外のものはありません。私達は医師とも話をしましたが、“彼の肺は元気で深刻な損傷を受けた兆候はない”と言われました」と説明。重症化している様子はなく、集中治療室には入らず隔離治療を続けているという。 パナマでは新型コロナウイルスの拡大が続いており、ニューヨークタイムズ紙によると現地時間25日の時点で感染者数は28000人を超えており、500人以上が死亡しているという。 デュラン氏は、ガッツ石松とも対戦経験のある“レジェンド“だが、魂を剥きだしにした荒々しいファイトと、強烈なパンチ力で人気を博し、特にモントリオール五輪の金メダリストの看板を背負って人気スターとなったシュガー・レイ・レナード(米国)との3度に及ぶ激闘はボクシング史に刻まれている。 1980年6月にモントリオールで行われた最初の戦いで、デュランはレナードを圧倒して判定でWBC世界ウェルター級タイトルを獲得。パナマ国中を熱狂に包み込んだ。 その 5か月後にデュランは、レナードと再戦したが、徹底した出し入れのボクシングに翻弄され8ラウンド途中に横を向き、「ノーマス(もう十分だ)」とレフェリーに呟き、TKO負け。デュランの名声は地に落ちた。だが、1983年にWBA世界スーパーウェルター級王者のデビー・ムーア(米国)にTKO勝利して3階級制覇に成功して復活。ミドル級の3団体統一王者だったマービン・ハグラー(米国)、トーマス・ハーンズ(米国)ら強豪との激闘に負け続けたが、1989年にWBC世界ミドル級王者、アイラン・バークレーに挑み判定勝利して不死鳥のように蘇り、4階級制覇を成し遂げた。 その後、デュランは50歳まで現役を続け、来日して船木誠勝と異種格闘技のリングに上がることまでしたが、2001年の交通事故の影響もあって生涯成績119戦103勝(70KO)16敗でグローブを吊るした。 息子のロビン氏は、「今後も父の容態の情報を伝えていきます」とインスタに記している。