年収の壁って「103万円」以外にどんな種類があるの? それぞれの壁を超えるとどのようなデメリットがある?
「103万円の壁」に呼応するように、社会保険の加入、もしくは扶養ラインである「106万円の壁」についても取り上げられるケースが目立っています。 年収の壁には、「100万円」「103万円」「106万円」「130万円」「150万円」「201万円」といったラインがあります。このように数字が並んでしまうと、混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、家計運営上、「年収の壁」をどのように理解すればよいかについてお伝えしたいと思います。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
年収の壁は数字で理解するのではなく、制度のくくりで理解する
厚生労働省は、「年収の壁について知ろう」という資料を公表しています。それぞれの壁について、この資料に掲載された一覧表を基に確認していきましょう。 図表1の左側に、「壁の種類」が並んでいます。1. 税金の関わる壁、2. 社会保険に関わる壁、3. 配偶者手当に関わる壁と、表中では大きく3つに区分けされており、それぞれに関連する年収の壁が記されています。 図表1
※厚生労働省「年収の壁について知ろう」より転載 年収の壁については、筆者も相談を受ける頻度が高い内容です。多くの方が、例えば「103万円を超えてしまうから働かない」「130万円を超えるから働くことを控える」というように、安易に考えてしまっているのではないでしょうか。 このように年収金額だけで理解してしまうと、それぞれの壁がどのような意味を持つのか分からないまま「働かない」という判断につながる可能性があります。このようなことから、「何についての壁か」に着目し理解する必要があります。 (1)100万円、103万円、150万円、201万円の壁:「税金」を納めるかどうかの基準 (2)106万円、130万円の壁:「社会保険料」を納めるかどうかの基準 ※図表1にある3. 配偶者手当に関わる壁については、勤め先の企業によっては配偶者手当の社内制度を設けていないケースもあるため、ここでは取り上げません。 まとめると、年収の壁は「税金」と「社会保険料」を納めるかどうかの基準であることが分かります。つまり、年収の壁によって働くかどうかを判断することは、「税金や社会保険料をそれぞれ納めるかどうか」も判断しているということになります。