一晩で20万人超が一斉サイクリング、「道一帯が自転車でふさがる」…中国政府は抗議行動再燃を警戒し外出規制も
共産党政権は白紙運動や天安門事件(1989年)のような若者の抗議行動が、党の一党支配体制を揺るがしかねないとみているようだ。学生を除いた都市部の16~24歳の失業率は8月、今年最高の18・8%に達した。SNSには「卒業即失業」の言葉があふれる。社会の閉塞(へいそく)感は強まっている。
上海市では10月31日のハロウィーンに合わせた仮装が規制された。10月27日の夜は、前夜に多くの若者が集まった市中心部の公園が突如封鎖された。地元の女子大学生(22)は「ただ楽しみたいだけなのに」と不満をぶつけた。
RFAによると、上海市当局はハロウィーン期間に一部地域で仮装を禁じる通知も出した。この地域の飲食店は客も店員も仮装を禁じられた。地元公安当局に近い関係者によると、抗議行動の発生を警戒したのが理由だった。2年前に若者による抗議行動が展開された市中心部の「ウルムチ中路」周辺は11月24日夜、私服警官らが監視していた。
反発も出ている。北京の大学教員は「明らかにやり過ぎだ。名門大の卒業生でも希望の就職が難しく、若者は未来に希望を見いだせなくなっている。規制強化は不満を爆発させる結果になりかねない」と指摘した。
◆白紙運動 2022年11月24日夜、新疆ウイグル自治区ウルムチで起きた高層マンション火災を発端に、各地に広まった抗議行動。火災では厳しい移動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が被害拡大につながったと指摘された。白い紙を掲げ無言で抗議の意思表示をした。